10月20日~22日に開催された全日本ノービス選手権(東京・ダイドードリンコアイスアリーナ)。
ノービスB男子は日髙晴久、女子は宮﨑花凜が初優勝した。
今後の日本フィギュアスケート界を担う若き新星が出場する今大会。
先輩スケーターに続けと、今大会のノービスBの男子、女子の結果を振り返っていく。
【男子】優勝は日髙晴久
日髙晴久が初優勝(東京ブロック)。
昨季から構成を変え、進化した継続プログラム「火の鳥」を披露。

冒頭の3回転サルコウを着氷させ、続く3連続ジャンプも着氷。持ち味のキレのあるスケーティングと表現力で「火の鳥」を演じきった。
80.39点のスコアが映し出された時、なぜか反応が薄かった日髙。
「目が悪く(スコアが)見えなかった」という日髙は、ワンテンポ遅れて喜びを爆発させた。

「優勝をすごくしたかったから、今までやってきてよかった」と去年2位からの優勝をかみしめた。
来年ノービスAに上がるとともに、プログラムも変える予定だという。
「“日髙晴久らしさ”をお客さん見せられるように、またパワーアップしていきたい」と語る。
「トリプルジャンプの練習を増やしたい」と意気込んだ。

2位には滑らかなスケーティングが持ち味の木村碧一(あおい)(関東ブロック)。
躍動感のあるステップや特徴的な振り付けで「情熱大陸」を滑り切り、会場を盛り上げた。
自身も一番力を入れたというダブルアクセルをクリーンに成功させ、さらにスピンでは最高評価のレベル4を獲得。

本人も納得の演技でガッツポーズも飛び出し、去年19位からのジャンプアップとなった。
「1位が取れなくて悲しいが、努力をした成果が出て嬉しい」と振り返った。
木村のライバルは優勝した日髙晴久。「仲は良いが、いつか勝てるようにしたい」と闘志を燃やす。
スピンやジャンプは羽生結弦さん、ステップは高橋大輔さんを目標にしているという木村の今後に注目だ。

3位に佐久間陸(中部ブロック)。
ジャンプにミスが出てしまい悔しさを滲ませるも、スピード感のあるスケーティングでチャップリンの明るく元気な世界観を表現し、去年7位からの表彰台となった。
ノービスAとして戦う来季へ向けては、「トリプルジャンプの種類をもっと増やしてプログラムに組み込んでいきたい。ノービスAの2年目の人たちのように力強い演技がしたい」と前を向く。

4位には、アメリカ人を父に持つ、デイリー スカイラー海聖(近畿ブロック)。
ノービスB出場選手の中で唯一3回転ジャンプを2つ組み込んだ高難度の構成で挑むも、冒頭3回転トゥループの転倒などジャンプのミスが響き悔しさを滲ませた。
それでも抜群のリズム感やコレオシークエンスなどで観客を魅了した。
普段は、世界女王2連覇中の坂本花織や去年GPファイナルで優勝を果たした三原舞依らが所属する神戸クラブを拠点に置く11歳。これからの活躍に期待したい。

1位 日髙 晴久(MFアカデミー)80.39点
2位 木村 碧一(埼玉アイスアリーナFC)71.66点
3位 佐久間 陸(福岡フィギュアアカデミー)70.42点
4位 デイリー スカイラー海聖(神戸クラブ)69.04点
5位 河合 悠立(名東FSC)68.67点
6位 原 大翔(神戸クラブ)68.25点
【女子】リベンジ果たし宮﨑花凜が優勝
宮﨑花凜(東京ブロック)が初優勝。
全出場選手30人の最終滑走として登場した宮﨑。

3回転ルッツにミスが出るも終始スピードに乗ったスケーティングで、ダブルアクセル、3連続ジャンプと成功させ、ほかのジャンプをまとめた。
新プログラム「チャルダッシュ」の世界に入り込み、演技構成点はトップスコアを獲得した。

去年、宮﨑は13位と悔しい結果となり、キスクラでは悔し涙を流す姿も。
あれから1年、リベンジに燃える宮﨑は82.16点というスコアを叩き出し、会場がどよめくほどだった。
キスクラでも、宮﨑は驚きの表情を見せながら喜んだ。
「シーズンベストも出たし、(東京選手権から)5点くらい点数も上がった」と宮﨑の笑顔がはじけた。

去年13位からの飛躍の要因は「YouTubeで毎日、踊りの動画をみて研究していた」と話す。
10月31日に迎える誕生日、ちょっと早いプレゼントに“スラックライン”を選んだという。
主にバランス力を養うために使われるもので、氷上以外でもスケート向上の意識が欠かせないようだ。
目標のジャンプ・スピン・スケーティング全てがそろった選手を目指し、進化を続ける。

2位は矢島凜果(中部ブロック)。
のびやかなスケーティングでノーミスの演技。週に2、3回習っているというバレエで培った柔軟性でイナバウアーも披露。
さらにスピンでは最高評価のレベル4を獲得し自己ベスト更新となった。
ノービスAとなる来季へ向けては、「回転不足のトリプルをクリーンで降りて、上位に入れるようにしたい」と意気込んだ。

3位に森成美(関東ブロック)。
去年から10センチ伸びたという身長を生かして大人っぽい演技を披露した。
ジャンプが跳べなくなるなどの影響は特になく、伸びた手足を使って表現力が上がったという。
冒頭の3回転トゥループを着氷させ、その後も次々と成功させる。
目標としていた60点後半超えを達成させた森。
「トリプルジャンプをたくさん入れたい」とノービスAへ上がる来季へ期待がかかる。

1位 宮﨑 花凜(MFアカデミー)82.16点
2位 矢島 凜果(グランプリ東海クラブ)70.16点
3位 森 成美(埼玉アイスアリーナFC)69.64点
4位 竹島 花英(LYS)68.37点
5位 木原 永稀(邦和SC)59.86点
6位 河合 心々渚(グランプリ東海クラブ)59.69点
全日本までの道の詳しい概要はフジスケでhttps://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/index.html
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