やっと暑い日が終わったかと思ったら、一気に肌寒くなった今日この頃。

そんな寒い日に食べたくなる「おでん」だが、具材を入れる順番に悩んだことはないだろうか。この時に役立ちそうな“おでん作りのタイムテーブル”を株式会社紀文食品が公開している。

寒くなるとおでんがおいしい
寒くなるとおでんがおいしい
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それによると、鍋にベースの汁(つゆ)を入れて沸騰したら、まずは大根、卵、牛すじ、こんにゃく、白滝、ちくわぶ、結び昆布を入れて弱火で30分煮る。続いて、つみれ、餅入り巾着、ちくわ、さつま揚、ウインナー、厚揚げなどを入れて、弱火でさらに15分煮ていくという。

紀文が考案した、おでんのタイムテーブル
紀文が考案した、おでんのタイムテーブル

調理開始から45分を目安に、はんぺんを火を止める直前に投入。汁をかけて温めると完成だという。

タイムテーブルは1960年代に考案されたもので、紀文食品の公式Xアカウント(@kibun_kitchen)が定期的に発信している。10月10日の投稿では、6万4000以上のいいねを集めた(10月18日時点)。

参考になる内容だが、ここにない具材の扱いはどうすればいいのだろう。投入するタイミングの判断基準や調理のコツを、紀文食品の担当者に聞いた。

練り製品は後からの投入でOK

――おでんのタイムテーブルを考案したのはなせ?時代によって変えた部分はある?

練り製品をおいしく味わえる、おでんの作り方をわかりやすく伝えたい思いから作られたと聞いています。(時代で変わったのは)ウインナーなど、掲載する具材の種類を増やしたそうです。

練り製品は後からの投入で良いという
練り製品は後からの投入で良いという

――タイムテーブルの具材を投入するタイミングはどんな基準で考えている?

具材の味がほどよく汁に溶け込み、かつ、具材に汁の味がほどよくしみ込むタイミングを考慮しました。味のしみ込みに時間がかかる大根や卵などを最初に入れ、そこまで煮る必要のない練り製品を後から入れるようにしています。同じエリアの具材は一度に入れて問題ありません。

はんぺんは温める程度で良いという
はんぺんは温める程度で良いという

――はんぺんは煮込んではいけないの?

はんぺんは空気を多く含んでいるので、火を通しすぎると膨張してからしぼんでしまいます。加熱しすぎるとおいしさが失われますので、汁をかけて温める程度を勧めています。

味の「しみこみやすさ」「火の通りやすさ」がポイント

――タイムテーブルにない具材はどうすればいい?

味をしみこませたいもの、火が通りにくいものから煮るとお考えください。大根、卵、ちくわぶなどはしみこむとおいしいですよね。鶏の手羽元など、お肉系は火が通りにくい、火をしっかり通した方が良いので、早めに投入して良いでしょう。逆に葉物野菜や練り製品は遅めの投入でも良いです。長く煮るとくたくたになりますし、味がしみこみやすいので、濃くなってしまう可能性もあります。

大根やこんにゃくは隠し包丁を入れると良い
大根やこんにゃくは隠し包丁を入れると良い

――おいしいおでん作りのため、準備時のポイントは?

具材の下ごしらえですね。卵はあらかじめ、ゆで卵にしておく、大根やこんにゃくは隠し包丁をしておくと良いでしょう。隠し包丁としては、大根は厚さ2cm程度の輪切りにして、片面に十文字の切り込みを入れる。こんにゃくは両面に格子状の切れ目を入れることを勧めています。

おでん作りでよくみられる失敗例
おでん作りでよくみられる失敗例

――調理時においての注意点はある?

おでん作りの失敗談について、アンケートを実施した際には「味が濃くなってしまった」「具材が崩れてしまった」との意見が多数みられました。要因は煮過ぎていることだと思われます。練り製品はおでんのつゆをおいしくしますが、煮すぎるとうまみが出てしまい、味が濃くなってしまうほか、練り製品そのものの美味しさも損なわれてしまいます。

そのため火加減が大事です。煮立ったら弱火でコトコト煮てください。煮立ちすぎる原因となるので、フタは閉めないこともポイントです。強火だと汁は蒸発してしょっぱくなりますが、具材はそこまで味がしみこんでいなかったり、具材が煮崩れしてしまうこともあります。


――煮詰まったり、調理翌日に温める場合はどうすればいい?

水で薄めてから温めてください。おでんに限ったことではないですが、調理後の長期間放置はお勧めできないので、カレーにするなど、アレンジして早めに食べていただければと思います。

隠し味に「オイスターソース」もあり

――おでんの汁をおいしくするコツはある?

オイスターソースを少し入れるとコクが出るのでお勧めです。適量はベースとなる汁1400ccに対して、オイスターソースが小さじ1杯程度。隠し味としてお考えいただければと思います。

日本各地のご当地おでん
日本各地のご当地おでん

――おでんの変わり種として、お勧めの具材は?

おでんは日本全国で色々な食べられ方をしていて、味付けも具材も多種多様です。例えば、金沢風のおでんには車輪のような形をした「車麩」というお麩が入っています。汁を含んだお麩は、噛むとじゅわっと口の中にだしの味が広がっておいしいですよ。

おでんの具材は味をしみこませたいもの、火が通りにくいものから入れる。そして弱火で調理するのがポイントのようだ。タイムテーブルも参考に作ってみてはいかがだろうか。

(画像提供:株式会社紀文食品)

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。