子育ての場で「食育」、「知育」といった言葉はよく耳にするが、「足育」についてご存じだろうか。子どもの心身の発達には足からの刺激が重要だといわれる。スポーツの秋、元気よく身体を動かす子どもたちにぴったりな靴の選び方をプロに聞いた。

子どもの成長や発達に関わる“足育”

「足育」の観点から教えてくれるのは、理学療法士、フットケアトレーナーの資格をあわせもつ前谷涼子さん。

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鳥取・南部町を拠点に、スポーツ選手や子どもから高齢者まで、健康的な体づくりの提案をする「ボディメイク」スタジオを経営している。

“体づくり”のプロ、前谷さんが力を入れているのが「足育」だ。

「足育」とは一体何なのか。前谷さんは「足は体の土台として実は大事なものですけど、割とおざなりになることが多い。整えていただくことで、心や体の成長や発達を助けていけるもの」と話す。

子どもの足を計る前谷さん
子どもの足を計る前谷さん

正しく足を使うためには、足に合った靴選びが重要だとし、相談に訪れた人の足を丁寧に計測、一人一人に合ったアドバイスをしていた。

計測するのは、かかとから親指の先までの長さと、足の甲の幅が一番長いところの横幅。そして、それぞれ立っている状態と座っている状態。つまり、足に体重がかかった状態とかかっていない状態の「平均値」を目安に判断するのがポイントだという。

足に合ってる? 自宅で簡単チェック

前谷さんは日本で売られている靴の基準になっている「JIS(日本産業規格)規格」という基準について教えてくれた。

ウェブサイトで確認できる「JIS(日本産業規格)」
ウェブサイトで確認できる「JIS(日本産業規格)」

ウェブ上でも確認できるもので、靴のサイズと足に合った靴の「幅」を知ることができる。

今回前谷さんが計測した1歳11カ月の男の子の場合、測定の結果「14cm、幅は狭め」が適正サイズ。普段履いている靴が、実は大きすぎることがわかった。

さらに、今の靴が足に合っているのか、自宅で簡単に知る方法があるそうだ。

前谷涼子さん:
こだわって作られている靴だと、子どもの靴でも「中敷き」が外せるようになっている。中敷きに足を乗せて、子どもの足の状態を確認してもらう方法を、おうちでできる方法としておすすめしています

中敷きに足がおさまっていて、余白が幅1cm以内ならOKだ。

“プロおすすめ”靴の条件

前谷さんは、子どもたちにおすすめの靴として、次のような条件を挙げた。

前谷さんおすすめの靴の条件
前谷さんおすすめの靴の条件

(1)かかとが硬い素材のもの
(2)中敷きが外せるもの
(3)面ファスナーやひもでフィット感を調整できるもの
(4)ハイカットで足首までサポートするもの

一生の健康につながる“足育”

子どものころから足にフィットする靴で動きやすい感覚を身につけることで、正しい姿勢や骨格を養い、一生の健康につながる。

また、歩きやすい靴をはくと、自然に運動量が増える効果も期待できるという。まさに「足育」、足元が子どもたちの健やかな成長を支えていると、前谷さんは強調する。

前谷涼子さん:
少しでも快適な状態で、やりたいことができるような環境づくりのひとつとして、足元を大事にしていく方が増えていくといいなと思います

成長が早く、ついつい大きめのサイズを選びがちな子どもたちの靴。成長や発達の段階に合わせたサイズを選ぶことが大切だ。

スポーツの秋、子どもも大人も、足元を見直す良い機会と言えそうだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

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TSKさんいん中央テレビ
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