事業の中止を求める声が上がっている、山形・米沢市の栗子山風力発電計画。日本野鳥の会は、風車の数を減らすなど計画の見直しを求める意見書を事業者側に提出した。

事業者側の主張に真っ向から反論

この計画をめぐっては、事業者のJR東日本エネルギー開発がまとめた環境影響評価準備書が、実際の調査内容とは異なるデータを基に作成されたとして、専門家などが中止を求めている。

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事業者への意見書は、10月4日、日本野鳥の会と日本野鳥の会山形県支部が連名で提出した。

イヌワシの巣から予定地までは、10km以上離れていて生息環境への影響は少なく、風車に衝突する可能性も極めて低いとする主張に真っ向から反論し、樹木の伐採と風車の建設によって繁殖活動に非常に大きな影響を及ぼすとしている。

その上でバードストライクを防ぐため、風車の数を減らし設置区域も変更するなど、可能な対策をすべて講じるよう強く求めている。

また、風圧や低周波による死亡例が報告されているコウモリの保全にも触れ、死骸の「事後調査」を風車稼働後1年間に月4回程度、「衝突の有無」しか確認しないのは不十分だとしている。

2023年の春に日本イヌワシ研究会が行った調査で、建設予定地とイヌワシの巣との距離は平均で約3kmだったことがわかっていて、日本イヌワシ研究会も事業の中止を求める意見書の提出を予定している。

(さくらんぼテレビ)

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