長野県塩尻市の高齢者施設で入所者の当時77歳に女性に薬物を飲ませて殺害したとして元職員の40歳の男が逮捕された事件。警察は男が普段から服用している向精神薬を飲ませた疑いがあるとみて調べている。

薬物を飲ませて殺害か

殺人の疑いで逮捕されたのは高齢者施設の元職員・望月大輔容疑者(40)。

望月容疑者は2022年5月、当時勤務していた高齢者施設で入所していた当時77歳の女性に薬物を飲ませて殺害した疑いが持たれている。

女性の死因は「薬物中毒」で警察によると、望月容疑者が普段から服用していた「向精神薬」と似た成分が体内から検出されているという。

警察は向精神薬を飲ませた可能性があるとみて、当時の状況などを詳しく調べている。

事件があった高齢者施設(長野県塩尻市)
事件があった高齢者施設(長野県塩尻市)
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入所者の通帳から現金…

望月容疑者は2022年4月に同僚の女性に向精神薬入りの飲み物を飲ませて薬物中毒に陥らせた傷害の罪でも起訴されている。

また、望月容疑者は2022年3月、女性の通帳を使って現金7万円を引き出したとして窃盗の罪でも起訴されていた。

警察は殺害の動機について、発覚を恐れて犯行に及んだ可能性もあるとみて慎重に調べている。

塩尻警察署
塩尻警察署

「入所者には優しいイメージ」

事件が起きた施設や容疑者の自宅近所では衝撃が走っている。

施設によると、望月容疑者は2022年1月から6月末まで生活相談員として勤務し入所者の支援や入退所の事務手続きを行っていた。

当時の日誌から事件当日に亡くなった女性と最後に会話していたのは望月容疑者だという。

施設長は取材に対し「高齢者を見守り支援する立場にある元職員が重大な容疑で逮捕されたことは大変申し訳なく思う」と話した。

望月容疑者については、「入所者に対して優しいイメージ」だったという。

望月容疑者の自宅(下諏訪町)
望月容疑者の自宅(下諏訪町)

現在、入所している男性に話を聞くと、「こんな所で事件が起きるなんて考えられない」と、ショックを隠せない様子だった。

望月容疑者の自宅の近所の住民は「あまり近所付き合いもなくおとなしい人だった」などと話していた。

望月容疑者は10月12日、身柄を検察庁に送られた。

容疑者の身柄が検察へ(10月12日 塩尻警察署)
容疑者の身柄が検察へ(10月12日 塩尻警察署)

(長野放送)

長野放送
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