2023年7月、東海道新幹線の車内放送で流れていたチャイムが変わり、話題となった。電車にまつわる曲を調査すると、全国には様々な「ご当地駅メロ」があった。

駅のホームのメロディの歴史

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駅メロには変わった歴史がある。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんによると、東海道新幹線の車内のチャイムは1964年の開業当時からあるなど、電車から発するメロディは早くから存在していた。しかし、駅のホームでは設備が整わず、合図はメロディではなくベルやブザーのみだったという。

ベルには「音がうるさい」「1日中鳴らすため壊れやすい」というデメリットもあった。

技術の進化とともにベルから電子音に変化し、1989年にJR新宿駅とJR渋谷駅に発車メロディが組み込まれたのを境に、全国に広がっていった。

そして発車の合図だけでなく、電車の接近時にもメロディが使われるようになったという。

「鉄腕アトム」に「ガリガリ君のテーマソング」まで 全国のご当地駅メロ

駅メロは「その土地を物語るモノ」でもあり、全国にはこうした駅メロが数多く採用されている。

JR山手線・高田馬場駅では、発車メロディで「鉄腕アトム」の主題歌が流れる。手塚プロダクションに聞いたところ、鉄腕アトムでは高田馬場にある「科学省」で2003年にアトムが誕生していることから、2003年に高田馬場駅で鉄腕アトムの駅メロをかけるようになったという。

映画やドラマの舞台となったエリアの駅でも、駅メロがあるところがある。

東京都江東区のりんかい線「東京テレポート駅」は、お台場を舞台にしたフジテレビのドラマ「踊る大捜査線」のテーマ曲が、発車メロディに使われている。

スタジオジブリの映画「耳をすませば」の舞台になった、東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘(せいせきさくらがおか)では、京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」で映画の主題歌「カントリー・ロード」が使われている。

神奈川横須賀市の京浜急行「浦賀駅」は、映画でゴジラが最初に上陸した場所がこの駅の付近という設定で、電車が接近する時には「ゴジラのテーマ」が流れる。

アーティストが由来の駅メロも

アーティストに由来する駅メロも多くある。

東京都千代田区の地下鉄日比谷線「秋葉原駅」は、秋葉原で誕生したAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」が使われている。

大阪市北区の大阪環状線「大阪駅」は、大阪を愛し愛された、やしきたかじんさんの代表曲「やっぱ好きやねん」だ。

栃木県足利市のJR両毛線「足利駅」は、渡良瀬橋の最寄り駅で、森高千里さんのヒット曲「渡良瀬橋」が使われている。

ご当地駅メロは他にも…

地域に縁がある「ご当地駅メロ」は他にもある。

神奈川県相模原市のJR横浜線「淵野辺(ふちのべ)駅」は、JAXA宇宙科学研究所・相模原キャンパスがあり、“宇宙に近い駅”として「銀河鉄道999」が使われている。

横浜市中央区のJR横浜線「関内(かんない)駅」は、プロ野球の横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアムの最寄り駅で、チームの応援歌「熱き星たちよ」が使われている。

埼玉県深谷市の秩父鉄道「ふかや花園駅」は、赤城乳業の本社があり「ガリガリ君のテーマソング」(日時限定)だ。

熊本市西区の九州新幹線「熊本駅」では、地元の民謡「おてもやん」をアレンジした駅メロが使われている。

2023年7月28日放送

(東海テレビ)

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