全国で急増している性感染症の「梅毒」。長野市保健所によると、10月1日時点の今年の患者報告数は25人となり、統計を取り始めた2006年以降、過去最多となった。市保健所は交流サイト(SNS)やマッチングアプリを介して見知らぬ人と簡単に出会えるようになったことが一因とみられるとしている。
2022年、全国で過去最多
国立感染症研究所の調査によると、2022年の全国の梅毒患者報告数は12966人、統計を取り始めた1999年以降で過去最多となった。2023年は、8月下旬から9月初旬にかけての調査で1万人を超え、2022年を上回るペースで増加している。
この記事の画像(6枚)梅毒とは
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という病原体により引き起こされる感染症で、主に性行為により感染する。感染すると性器や口の中にしこりができたり、手のひらや体中に広がることがある。治療をしないまま放置していると、心臓や血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、時には死に至ることもあるという。(国立感染症研究所のHPより一部抜粋)
長野市は過去最多 県内全体でも増加
全国で急増している「梅毒」。2023年、長野県内でも患者報告数は増加していて、10月8日時点で66人にのぼり、過去最多だった2022年の71人(速報値)を上回るペースとなっている。
また、長野市保健所によると、10月1日時点で患者報告数は25人、統計を取り始めた2006年以降、過去最多となった。これまでの最多は2019年の23人、年末まで3カ月を残して上回った。
SNSなどでの出会いが一因か
患者報告者数の増加について、長野市保健所はSNSやマッチングアプリを介して、見知らぬ人と簡単に出会えるようになったことが一因としている。また、全国で患者が増加していることから、県内でも検査する人が増えているとみている。
心配な人は検査を
感染リスクを減らすためには、コンドームの適切な使用が有効とされている。また、長野市保健所は、感染していても症状が出ない場合もあるので、心配な行為があったら、近隣の保健所や医療機関で検査してほしいと呼び掛けている。
(長野放送)