バレーボールのFIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023は男子大会5日目を終えて、日本代表(世界ランキング4位・10月6日時点)は4勝1敗。
6戦目となる7日は世界のトップと肩を並べるスロベニア(同7位)と対戦する。

国際バレーボールシーンにおいて新興国に位置していたのは昔の話、今やスロベニアはれっきとした強豪国だ。
欧州強豪国 石川祐希の元チームメートも
本格的に国際大会に躍り出たのは2017年以降だが、ヨーロッパ選手権では2019年と2021年に2大会連続準優勝、今年は3位決定戦で東京2020オリンピック金メダルのフランスを撃破し、銅メダルを獲得している。

その躍進の背景には、キャプテンのティネ・ウルナウト(背番号17)を筆頭に各選手が欧州圏内の各国リーグに渡り、そこで磨いた個々の力を代表チームに還元していることがある。

イタリア・セリエAで石川祐希とチームメートだったこともあるミドルブロッカーのヤン・コザメルニク(背番号4)や、甘いマスクで人気を博すエースのクレメン・チェブリ(背番号18)ら実力派選手がそろい、なかでもセリエA挑戦1年目で得点王に輝いた実績を持つ21歳のロク・モジッチ(背番号19)はこれからのスロベニアを引っ張っていく存在だ。
4勝1敗 2位同士の直接対決
今大会の5日目にはアメリカと全勝対決を迎え、初黒星を喫した。だが、その試合ではウルナウトがコンディション不良のため欠場、モジッチが不調にもかかわらず、途中から入った18歳のオポジット、ニク・ミヤノビッチ(背番号20)がチーム最多12得点と奮闘。

そもそも今大会を前にしたヨーロッパ選手権で正セッターのグレゴル・ロプレト(来日せず)が負傷離脱し、現在は37歳のベテラン、デヤン・ビンシッチ(背番号9)が豊富な経験で補うなど、選手層の厚さは今のスロベニアの強みでもある。
日本 パリ切符へ運命の大一番
日本はここまで3試合連続でストレート勝ちと、落とした第2戦のショックを完全に振り払った。セルビア戦では西田有志が最多16得点、髙橋藍が15得点、石川が14得点と三本の矢が全開、サーブ&ブロックも機能した。

スロベニアとは今年のネーションズリーグのファイナルラウンド準々決勝で対戦し、その際は勝利を収めたが「まったく別のチーム」と石川は警戒を緩めない。
7日(土)、アメリカが対戦するセルビアから1セット以上取り、日本がスロベニアに3-0のストレートで勝つとパリオリンピックの切符が手に入る大一番。「ココで、決める」。
文/坂口功将(月刊バレーボール編集部)

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
プールB順位表(開催国:日本)10月6日時点
1位:アメリカ 5勝0敗
2位:日本 4勝1敗
3位:スロベニア 4勝1敗
4位:セルビア 3勝2敗
5位:トルコ 2勝3敗
6位:エジプト 2勝3敗
7位:フィンランド 0勝5敗
8位:チュニジア 0勝5敗
※上位2カ国がパリオリンピック出場権を獲得する
FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
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男子大会:9月30日(土)-10月8日(日)
東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催