コロナ禍で需要、収益ともに大きく落ち込んだ航空業界だが、広島空港では運航が中止されていた国際線が復活するとともに、新たな人材確保に乗り出した。関連企業が連携して開いた就職イベントを取材した。
空港の仕事にどんなものがあるかを知ってもらう
9月30日(土) 広島空港内の部屋には若い世代が集まっていた。

空港担当者:
広島空港で仕事をするというイメージが少しでも湧くような機会になればと思います

およそ1000人が活躍する空港での仕事の理解を深め、“働いてみたい”と思ってもらうための説明会。

コロナ禍が明け、広島空港ではアジアの国際線が続々復活。

中国の大連・北京線や上海線が運航再開し、今後、ベトナム・ハノイ便の就航も予定されている。また、7月に再開したソウル便はこれまでの週3往復を10月29日から週7往復、つまり毎日運航することになった。

広島国際空港・総務人事部 三浦聡シニアマネジャー:
国際線を中心にこれからどんどん路線を拡大していくなかで、空港というと敷居が高いイメージがあるが、そうではなく、地元の方々と作っていく空港というところを出していって、世界の方々の期待を超えていくような空港を作っていきたい

そこで重要となるのが「人材」。広島空港では2022年9月から合同企業説明会に力を入れ、この日は「グランドスタッフ」や「グランドハンドリング」、「保安検査員」のほか、「航空機の燃料を給油」している会社が、大学生や一般転職希望者などの前でアピールした。

航空機に燃料を給油をしている会社の担当者:
飛行機に給油する会社があるということをご存じの方いらっしゃいますか?

参加者:
・・・・・(無反応)

一般に知られていない職種を知ってもらい人材確保に繋げる
この就職イベントは、空港内で重要な仕事をしているにも関わらず、一般にはあまり知られていない会社が連携して、潜在的な候補者を発掘することが目的。

また、就活中の参加者もこれまで念頭になかった仕事に出会えるメリットがある。

主催する広島国際空港はこうした合同の就職イベントが、将来のミスマッチも軽減させると考えている。

広島県出身・県外の大学に通う学生A:
もともと興味はなかったが、話を直接聞けて、こういうサポートできるやりがいある仕事があるんだなと思った

Q:広島空港の会社を受けてみたい思いは?
広島県出身・県外の大学に通う学生B:
はい、あります

広島国際空港・三浦シニアマネジャー:
省人化できるものは省人化しながら、根幹となる部分はやはり人というのがあるので、「広島空港で働いているんだ。いいね」と思ってもらえるような、空港のブランド化ではないが、空港で働くメリットをこれからどんどん創造していきたい

コロナ禍が明け、インバウンド客の増加で、運輸、観光業界は人材不足に悩んでいる。比較的に知名度が低い業種の存在を一般に知らせることで、優秀な人材が地域に定着していくことが期待されている。
(テレビ新広島)