フィギュアスケート東北・北海道選手権が9月30日から10月1日に行われた。

シニア男子は普段は公務員として北海道の苫小牧市役所に勤務している坪井聖弥が優勝。シニア女子は今季からシニアに転向した聖前埜乃華が優勝した。

東北・北海道選手権で東日本選手権への出場権を獲得したシニア・ジュニアの選手たち、そして全日本ノービスを決めた選手たちの結果を振り返っていく。

【シニア男子】“公務員スケーター”が優勝

出場選手3名全員が東日本選手権へ出場を決めたシニア男子。

優勝は公務員スケーターとして、出場した坪井聖弥。

「やっぱり全日本は出たい」と現役続行を決意したという。

公務員として働きながら全日本出場を目指す坪井聖弥
公務員として働きながら全日本出場を目指す坪井聖弥
この記事の画像(16枚)

社会人になり、練習量が極端に減った中だったがこの大会に向け、練習量を無理やり増やし何とかまとめ上げた。

今後は「3回転ルッツと3回転フリップを2本ずつ構成に組み込みたい」と続ける。

普段の坪井は、苫小牧市役所秘書広報課として勤務し、イベント取材などの業務もこなしているという。仕事では取材をする側だが、今回は受ける側になり新鮮だったようだ。

ベテランでも現役を続けた高橋大輔さんや山田耕新さんのように、坪井は「社会人としてスケートを続ける」という選択肢を広げたいと話す。

初の全日本を目指し公務員スケーターの挑戦は続く。

シニア男子表彰台(東北・北海道選手権)
シニア男子表彰台(東北・北海道選手権)

【シニア男子】
1位 坪井 聖弥(苫小牧市役所)128.09点
2位 金子 陽哉(新潟FCKZ)115.36点
3位 田村 亮太(宮城鶴ヶ谷FSC)86.51点

【シニア女子】シニア転向1年目が優勝

女子は8名中、上位4名が東日本選手権へ出場を決めた。

優勝は、高校3年生で今季からシニアに転向した聖前埜乃華(しょうぜん ののか)。

自身も納得の演技でSP1位に。迎えたFSでは得意の3回転トゥループを失敗してしまい、「スケーティング面でも出し切れないことがあった」と反省し、その原因として「体力の向上が課題」と分析した。

シニアまであたためた『タイタニック』を披露する聖前埜乃華
シニアまであたためた『タイタニック』を披露する聖前埜乃華

そのFSのプログラムは幼い頃から憧れ続けた『タイタニック』。

大人っぽい曲調のため、シニアに上がるまで選曲はしなかったようで、さらなるプログラムのブラッシュアップに励む。

住吉りをんに憧れているという聖前の夢は全日本出場だ。

そのための次なる壁として迫る東日本では、ショート・フリーのノーミス演技がカギになってくると話す。次戦までに磨く完成度に期待だ。

シニア女子表彰台(東北・北海道選手権)
シニア女子表彰台(東北・北海道選手権)

【シニア女子】
1位 聖前 埜乃華(八戸工大一高)132.08点
2位 三浦 向日葵(仙台泉F.S.C.)115.98点
3位 山﨑 舞美(釧路湖陵高校)111.13点
4位 加藤 花怜(北海学園大学)108.30点

【ジュニア男子】武田結仁が逆転優勝

東日本には上位6名が進出した。

優勝はSP3位からの逆転優勝を果たした武田結仁。

地元・新潟での開催に「緊張した」と話す。

演技後はスタンディングオベーションが送られた武田結仁
演技後はスタンディングオベーションが送られた武田結仁

昨季、後悔だらけのシーズンを送っただけに重点的に取り込んだジャンプが今回はまり、本人も大満足。

演技後にはスタンディングオベーションが送られ、「頑張ってよかった」と振り返った。

次の東日本では、今大会で取りこぼしがあった演技構成点を見直し、180点超を目指す。

ジュニア男子表彰台(東北・北海道選手権)
ジュニア男子表彰台(東北・北海道選手権)

【ジュニア男子】
1位 武田 結仁(新潟県連)154.39点
2位 堀野 伊織(八戸FSC)153.18点
3位 小山 蒼斗(仙台泉F.S.C.)143.03点
4位 西本 那音(北海道FOREST.F.S.C)131.19点
5位 尾形 広由(東北高校)130.79点
6位 種市 晃大(八戸FSC)115.42点

【ジュニア女子】トップ3が北海道勢に

東日本には上位6名が進出した。

昨季の全日本ノービスAで東北・北海道ブロックから出場し、表彰台にあがった岡万佑子(2位)、宮本琉花(3位)がそろってジュニアへ。

トップ3が北海道出身となった。

ジュニア2年目の岩本愛子が優勝
ジュニア2年目の岩本愛子が優勝

ジュニア1年目が躍動する中で優勝を飾ったのが、ジュニア2年目の岩本愛子だ。

昨季、東日本でSP落ちを経験し、そこから猛練習をしたという。

SPは本人納得の演技だったがFSは「全然ダメだった」と辛口評価。それでも出場者唯一の技術点50点台をマークし、SP2位から逆転優勝した。

全日本ジュニア出場が目標という岩本。

1年で身長が7センチも伸びたとのことで、心も体も成長した姿で去年の雪辱を果たす。

ジュニア1年前の岡万佑子が2位に
ジュニア1年前の岡万佑子が2位に

2位の岡万佑子は今季ジュニア1年目。

バレエ未経験でも、驚異の柔軟性を武器に持つ岡。

体の柔らかさを発揮する岡万佑子のニースライドからのレイバック
体の柔らかさを発揮する岡万佑子のニースライドからのレイバック

ニースライドからのレイバックという、体の柔らかさが最大限に出る独創的な振付で観客を魅了した。

3位の宮本琉花もジュニア1年目。

ジュニアにあがったことでイメージチェンジを図ったという宮本。

武田奈也コーチと笑顔でポーズする宮本琉花
武田奈也コーチと笑顔でポーズする宮本琉花

キレのある振付に大人っぽさが増したプログラムを作り上げた。ノービス推薦で出場した昨季の全日本ジュニアでの悔しさからリベンジを誓う。

ジュニア女子表彰台(東北・北海道選手権)
ジュニア女子表彰台(東北・北海道選手権)

【ジュニア女子】
1位 岩本 愛子(白鳥FSC)157.05点
2位 岡 万佑子(ROYCE' F・S・C)146.22点
3位 宮本 琉花(白鳥T・FSC)136.77点
4位 瀬川 穂乃(仙台FSC)125.18点
5位 加藤 杏望(白鳥FSC)122.53点
6位 小田 佳名美(アイビスSC)119.23点

【ノービスAB、男子・女子】

11~13歳が参加するノービスAクラスと、9~11歳が参加するBクラスでは、この東北・北海道選手権を通過すると、10月21日開催の全日本ノービスへ出場できる。

ノービスA男子は5名、ノービスA女子は3名が、全日本ノービスへ出場を決めた。

ノービスBでは男子の上位4名が、女子は5名が全日本ノービスの出場を決めた。

ノービスA男子表彰台(東北・北海道選手権)
ノービスA男子表彰台(東北・北海道選手権)

【ノービスA男子】
1位 河本 英士(仙台FSC)70.38点
2位 道免 優斗(ROYCE' F・S・C)67.92点
3位 上田 将生(仙台泉F.S.C.)61.18点
4位 阿部 快斗(八戸FSC)54.83点
5位 佐々木 雄大(宮城FSC)51.42点

ノービスA女子表彰台(東北・北海道選手権)
ノービスA女子表彰台(東北・北海道選手権)

【ノービスA女子】
1位 浅利 羚聖(美香保FSC)64.45点
2位 荻原 ゆあ(北海道FOREST.F.S.C)61.31点
3位 横内 杏花(北海道FOREST.F.S.C)60.60点

ノービスB男子表彰台(東北・北海道選手権)
ノービスB男子表彰台(東北・北海道選手権)

【ノービスB男子】
1位 有馬 瑛太(ROYCE' F・S・C)44.23点
2位 山本 輝(釧路FSC)42.01点
3位 山口 直太朗(仙台FSC)39.46点
4位 西山 誠馬(アイビスSC)36.57点

ノービスB女子表彰台(東北・北海道選手権)
ノービスB女子表彰台(東北・北海道選手権)

【ノービスB女子】
1位 梶原 穂(宮城FSC)56.65点
2位 嶺岸 聖那(宮城FSC)55.34点
3位 三浦 諒子(ROYCE' F・S・C)50.92点
4位 益戸 歩(仙台FSC)45.40点
5位 工藤 彩馨(宮城FSC)44.73点

全日本までの道の詳しい概要はフジスケでhttps://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/index.html
FODで全選手・全演技LIVE配信

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班