10月2日午後、ジャニーズ事務所は2回目の会見を開き、社名を変更し、被害者の救済が終了した後、廃業することを明らかにしました。
ジャニーズ事務所の社名は、10月17日付けでSMILE-UP.社に変更、被害救済の窓口に補償を求めてきたのは325人に上るといいます。

「めざまし8」では、スタジオに、これまで性被害を訴えてきた元ジャニーズJr.の橋田康さんをお迎えし、ジャニーズ事務所の会見を見た率直な今の思いを伺いました。

元ジャニーズJr. 橋田康さん
元ジャニーズJr. 橋田康さん
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MC谷原章介:
橋田さん、昨日の会見をどうご覧になりましたか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
前回の記者会見が再出発のためのゼロだとしたら、昨日の記者会見は第一歩の会見だったのかなと思います。

谷原章介:
会見でジャニーズという社名を外すという発表、どう思いましたか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
個人的には残念と複雑が入り交じった気持ち。僕自身ジャニーズ事務所に恨みがあるわけではないので、被害はもちろんあるんですけど、ジャニーズといういわゆる共通言語みたいなものが、誰もが知っている名前がなくなってしまう悲しさはありますね。

谷原章介:
加害者の名前が付いているということが問題ですよね。

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
ジャニーさんの名前を連想してのジャニーズではなかったので、一個の「ジャニーズ系だね」とかの、ポジティブな言葉として使っていたので、少し、さみしい悲しい気持ちはあります。

谷原章介:
ジュリーさんの手紙はどう思いましたか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
ジュリーさんは(会見に)参加しなかったですけど、手紙は同族経営の弊害についても改めて考えさせられる内容だったと思います。
ジュリーさんにお会いしたのは数回程度、被害者の中で会ったことのある9名に入ってないんじゃないかなと思うくらい、お会いしたことなかったので。
言っていることはその通りで、かなり距離をとっていらしたと思う。そういう中で個人的なジュリーさんの葛藤はあったのではと思います。

谷原章介:
今回、ジャニーズ事務所は名称変更して、補償に焦点を当てていくということですが、どう思いましたか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
ジュリーさんが、人生をかけて補償1本に絞っていくということなので、それに向かい合っていくということは覚悟のいることだと思いますし、そういう決定を下して進んでいくんだなとしっかり受け止めることはできました。

谷原章介:
補償請求が325人という発表、内容に関してはこれから発表していくということですが、どう思いましたか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
内容だったり、プライバシーのこともあると思うので、全てをさらけ出すことは難しいと思いますけど、段階を踏んでいってきちんと可視化するために、進捗状況を公開していくというのはすごく重要なポイントになってくると思う。
その上で安全だなと確認できた人が、怖い思いをせず手を上げられて、一人の漏れもなく救済にあたれることを願っているんだと思いますから、それを現実にするために、進捗状況を公開していってもらいたい。

谷原章介:
性加害、性犯罪ですから長い時間をかけて救済していかないといけないと思いますが、現時点での325人という数はどう思いますか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
正直びっくりしている。僕は今、渦中にいますけど、被害は受けていて、まだ声を上げていない状態だと考えたときに、今のタイミングで補償の窓口に連絡できるかとしたら、まだ早いなと思っていたので、もう少し安全が確認できて、救われている人たちが1人2人と出てきてから「じゃあ大丈夫なのかな」と思うのかなと、家族や子供のいらっしゃる方もいると思いますから。その前のその人数なので(今後)増えるのかなと思いますね。

谷原章介:
橋田さんは事務所側とお会いしたということですが、どんな内容だったんですか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
まずは「本当に苦しい思い、つらい思いをさせてしまってすまなかった」と開口一番に東山社長から言われた言葉ではあります。「動くきっかけ、変わるきっかけをくれてありがとう」と言われたのが印象的な言葉。
前向きに良くしていって、改善していく状況をつくっていくっていう…前向きにしていってもらっているという印象かなと思います。僕自身もそういうふうに再出発してもらいたいと思っていたので、すごく救われる言葉でしたね。

谷原章介:
若狭さんは、この会見をどう見ましたか?

若狭勝弁護士
若狭勝弁護士

若狭勝弁護士:
補償に関してはスケジュール感をもっと出していった方が良かったなと思います。11月から補償を開始するということですが、どれくらいをめどに補償を完了させるかということは出した方が良かったのでは。企業のCM離れ、テレビ局のタレント起用の見送りとなっていますが、企業は3カ月とか6カ月とかある程度先を見越して動くんですが、会見だといつ頃までに補償が終わるのかわからなくて、企業は動きようがないので、今のままの状態が推移してしまう。
信頼回復をして動きだすためには、めどをある程度言うべきでこの会見だと分からない。できるだけスケジュール感を出すべきだった。

補償額は過去の判例を元に算出、「法を超えた救済」をするためにジュリーさんが株式を100%持ち続けると会見で明らかにされています。

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
「法を超えた」という部分では、僕自身も13歳くらいの時のことなので、法的には時効ですよね。そういった時間の意味でも法を超えて、また、金額も基準は出ていますけど、エンターテインメント業界での特殊な出来事でして、SMILE-UP.社が日本のエンターテインメント業界での対応の基準を作っていくのかなと、思いますね。
水準がある上で、どこまで超えるのかということが大きなポイントだと感じています。

谷原章介:
当事者としてどのような補償を求めますか?

元ジャニーズJr. 橋田康さん:
特殊なケースだと思うんです。すごくキラキラした中での出来事なので、傷の付き方だったり、悩み方やトラウマは一人一人違うんですね。時間もかかるけれど、ひとつひとつ向かい合っていただきたいと思います。
(めざまし8 10月3日放送)