臭い匂いを放つことで知られるカメムシが全国的に大量発生している。カメムシの種類によっては、農作物に被害をもたらすこともあるため、農林水産省は全国21の道府県で「カメムシ注意報」を出し、農家に対策を呼びかけている。

カメムシが大量発生

現在、臭ーいあの虫が大量発生しているようだ。

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電灯の周りを飛び回る大量の虫。そして、マンションの廊下にも大量にいる。おびただしい数の虫が壁や天井に張り付いている。

今、大量発生が懸念されている「カメムシ」だ。カメムシは刺激を与えると強烈な臭いを放つことでも知られている。

種類によっては、農作物に被害をもたらすこともある。

カメムシに果汁を吸われた梨は、形がいびつになってしまった。米も色が黒く変色してしまう被害が報告されている。

そのため、農林水産省は全国21の道府県で「カメムシ注意報」を出し農家に対策を呼びかけている。

カメムシは種類によるが、農作物や果実を食べる「農業害虫」とも言われる。

くさい分泌物を出すことから「ヘコキムシ」などと呼ばれ、「不快害虫」としても扱われることもある。

夜の気温上昇で行動が活発化

では、なぜ今カメムシが各地で大量発生しているのだろうか。

まずは大量発生の理由だが、京都府病害虫防除所の浅井信一さんによると「夜の気温が高くなるとカメムシの行動が活発になり、カメムシは南で生息する虫であり、9月下旬でも夜が蒸し暑いので、カメムシが活動しやすい環境になっている」という。

2023年は例年よりもカメムシによる農作物被害の報告が多いことから、カメムシの量が多いと言えるという。

千葉県の調査では、水田でのカメムシを捕獲した数も過去10年で最も多いとして注意を呼びかけている。

今後、温暖化がさらに進んでいくとカメムシも増加していく可能性も指摘されている。

専門家が教える対処の仕方

もしカメムシを見つけた場合はどうすればいいのだろうか。

カメムシの研究を専門としている、伊丹市昆虫館の長島さんに対処の仕方を聞いたところ、カメムシが1匹の場合は「カメムシは刺激しなければにおいを出すことはない。そのため、室内に入ってきたカメムシは底を切ったペットボトルの中に追い込んだり、ティッシュに包んだりして外に逃がすのがおすすめ」ということだ。

さらに、カメムシは光に集まる習性があって、より強い光に多く集まるので、コンビニや駅などの強い光の場所などでたくさん見られるという。

さらに1匹ではなく 大量にいた場合は「殺虫剤などの薬をまく方法が良い」という。カメムシ専用の殺虫剤もあるので、大量発生している場合は、専用の殺虫剤を用意するのもおすすめだという。

また、種類によっては越冬するカメムシもいて、温暖化が進むことでカメムシを見る機会が増える可能性がある。
(「イット!」 9月29日放送より)