2023年3月のWBC(ワールドベースボールクラシック)で日本代表を世界一に導いた時の監督だった栗山英樹さんが9月29日、鹿児島市の学校で講演した。栗山さんは児童・生徒らに、侍ジャパンの苦労や人生で大切なことを熱く語った。

WBC元監督・栗山英樹さんが鹿児島の学校を訪問

栗山さんがやってきたのは鹿児島市郊外にある私立池田学園。正面玄関では池田小学校の児童が甲子園でおなじみの「栄冠は君に輝く」を合唱し栗山さんを出迎えた。車を降りた栗山さんも一緒に口ずさんでいた。

甲子園でおなじみの「栄冠は君に輝く」を合唱し出迎え 栗山さんも口ずさんでいた
甲子園でおなじみの「栄冠は君に輝く」を合唱し出迎え 栗山さんも口ずさんでいた
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栗山さんが池田学園を訪れたのは2011年以来。講演会には小・中・高校の児童や生徒約400人が参加した。栗山さんはマイクを持ち、まず後ろの方に座っている小学校の児童のもとへ向かった。

高校野球番組のキャスターを務めるなど、テレビ出演の経験も豊富な栗山さん。まるでリポーターのように児童にマイクを向けた。児童からはこんな質問が。

児童:
日本代表の監督としてチームをつくる時に大変だったことは何ですか?

その場にしゃがんで子供と同じ目線になった栗山さん。「チームの中心の選手たちが集まるので、そういう人たちが心をひとつにして、日本のためとか、一つになるのが難しい」と答えた。

監督時代に培った経験をもとに、苦しいことに直面しても頑張ってほしいという思いを伝えた栗山さん。質疑応答に一つ一つ丁寧に答えていった。

生徒に「人生で大切なこと」を語る

続いての質問は「栗山さんが人生で一番大切にしていることは何ですか?」。

栗山さんは質問した生徒の目を見ながら、熱く語った。

WBC侍ジャパン前監督・栗山英樹さん:
己に嘘をつく人ほどくだらない人はいない。人から「やれ」とか「こうしたほうがよい」とかいうのは、どうでもいい。自分でこれをやると決めたこと、自分にだけは嘘をつかない

講演を終えた栗山さんは報道陣の取材に対し「小さな子供たちのあのような反応を見ていると、よかったなと改めて感じています。『大変なことがチャンスだと思って頑張ってね』と、そのことだけ伝えられたらと思います」と述べた。

講演を聞いた生徒は「栗山さんの言葉が、めっちゃ刺さりました!自分の本当にしたいことをやりたいと思いました」「これからも心にとどめておきたい言葉がたくさんありました」「頂いた言葉を胸にこれから歩んでいけたらと思います」など、栗山さんの言葉をしっかりと受け止めていたようだ。

約1時間半という短い時間ながら貴重な講演。鹿児島の児童・生徒にとって充実した時間となったようだ。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
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