富山県高岡市の市長ら6人が、10月に予定しているアメリカ訪問。

座席がエコノミークラスからビジネスクラスに格上げされ、旅費が前回の6倍にアップしたことで、批判の声が上がっている。

1人あたり約30万円の旅費が約183万円に

「エコノミークラスだと1人34万円くらい、ビジネスクラスだと1人140万ほどかかる。市民の理解は得られない」と、立憲民主・社民議員団の石須大雄市議がFNNの取材に話した。

高岡市の姉妹都市であるフォートウェーン市
高岡市の姉妹都市であるフォートウェーン市
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高岡市の角田悠紀市長と中川加津代議長ら6人は、10月9日から7日間の日程で、アメリカ・インディアナ州にある姉妹都市フォートウェーン市を訪問する予定だ。

フォートウェーン市には、多くの教会や伝統的な建築様式の建物が並び、46年前から高岡市の姉妹都市として友好関係を深めてきた。

前回訪問した11年前には、当時の市長を含め15人が参加。エコノミークラスを利用して、同じ7日間の日程だったが旅費は1人当たり約30万円で、総事業費は472万円にとどまった。

しかし、今回は人数が6人に減った一方で、そのうち4人の座席がビジネスクラスに格上げ。これによって1人当たりの旅費が約183万円にアップし、6倍に跳ね上がったのだ。

総事業費は1130万円になる。

野党の市議は25日、姉妹都市訪問に反対する考えを突きつけた。

立憲民主・社民議員団 上田武市議:
現時点でフォートウェーンへの訪問は、反対を表明しておきます。

これに対して市側は、機内泊を伴う12時間を超えるフライトで、エコノミークラスだと公務に支障が出ると判断したと答えた。

市民の理解は得られる? 市長らが説明

2023年3月の定例会で予算が議決されたという今回の計画。石須市議は、エコノミークラスを利用するものだと思って、当初の予算に賛成したとしている。

立憲民主・社民議員団 石須大雄市議:
行く直前になって、ビジネスクラスを使って人数を絞って行くことになったという情報を聞きまして、ビジネスクラスで行くのは、いかに国際交流が大事な状況だったとしても、市民に理解を得られないのではないかと。

11年前の訪問時の写真
11年前の訪問時の写真

高岡市民は、どう考えるのか。話を聞くと「そんなぜいたくしなくても。無駄なお金を使って、税金を使って行くのかなと思うと、腹が立ちます」「今までエコノミークラスで行っていたのに、どうしてビジネスクラスにあげる必要があるのか」などといった声が聞かれた。

ビジネスクラスへの格上げについて、25日午後、訪問団の角田市長と中川議長がそれぞれ説明した。

「規定にのっとり、距離や時間を考えた上での対応」「しっかりとした状態で向こうと向き合うために」と述べた
「規定にのっとり、距離や時間を考えた上での対応」「しっかりとした状態で向こうと向き合うために」と述べた

高岡市 角田悠紀市長:
エコノミーからビジネスクラスへ上げたということは、規定にのっとり、距離や時間を考えた上、今回はこういう対応させていただいております。本市にとっては、今回の訪問は外交であると思っておりますので、しっかりとした状態で向こうと向き合うために、こういった選択をさせていただきました。

高岡市議会 中川加津代議長:
女性議長として赴かせていただけるということで、高岡市は日本の中でも進んだ議会なんですよ、ということをアピールしていきたい。

野党側は、仮にビジネスクラスを利用するとしても、エコノミーとの差額分を自己負担するよう求めている。
(「イット!」9月25日放送より)

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