8日、問題発覚が相次ぐビッグモーターの東京都内9店舗に家宅捜索が入った。

一方で、ビッグモーターとの親密な関係性が指摘されていた損害保険ジャパンは会見を開き、白川儀一社長が辞任を表明した。
神奈川3店舗に続き、都内9店舗に家宅捜索
店舗前の街路樹が枯れるなどした問題で、神奈川県の3店舗に続き、8日、東京都内の9店舗にも家宅捜索が入った。
ビッグモーター環八世田谷店には8日午前10時過ぎ、段ボールを持った捜査員が入り、約4時間にわたり捜索。

兼重宏一前副社長らによる環境整備点検に対応するための工具だったのだろうか。
警視庁の捜査員が押収したものの中には、シャベルや芝刈り機らしきもの、さらには強い風圧によって枯葉などを吹き飛ばす工具と見られるものもあった。

押収物から店舗側が過度に店の前の美化を行っていた様子がうかがえる。
損害保険ジャパン・白川儀一社長が辞任表明
さらに8日午後ビッグモーターとの親密な関係性が指摘されていた損害保険ジャパンに、大きな動きが起きた。

「私、白川儀一は、損保ジャパン代表取締役社長、社長執行役員としての職を辞することといたしました」
「信頼を裏切ることになってしまいましたことは、経営者として、不徳の致すところでございます。あらためまして、この度は誠に申し訳ございませんでした」
損保ジャパンの白川社長が、ビッグモーターによる保険の不正請求問題で、お客様や社会からの信頼を大きく低下させてしまったとして、8日夕方に辞任を表明した。

白川社長をめぐっては、2022年の7月に一度は中止していたビッグモーターとの取引を、不正の可能性を知っていたにもかかわらず、再開を促す発言をしていたことが判明。
その理由を問われた白川氏は「不正請求の発生に早急に手を打つ必要性を認識していました。そのため、疑義の追及に時間をかけるよりも、厳しい再発防止策の実行を条件にして、現状を改善させたうえで、入庫再開を行うことが、当社にとってもベターであるという判断をいたしました」と釈明。
疑惑の追及より再発防止を行ったうえで取引を再開したと主張する白川氏。ビッグモーターから提出された調査報告書に“改ざんの可能性”があったことを知っていながらも、「今後、これ以上調査を続けても、ビッグモーター社が、組織的な指示を行っているということを自認させるのは、これは相当困難であろうと」と判断したという。
「ビッグモーター社から大きな反発を受けることを恐れ…」
さらに車の損害調査に損保ジャパンの社員が立ち会わずに行われた点については、「ビッグモーター社から大きな反発を受けることを恐れ、厳正な対応を行うことができておりませんでした」と話した。
会見全般を通して、ビッグモーターの不正な動きを止められなかったと主張した白川社長は、一方で、損保ジャパンからの出向者はビッグモーターの不正に関与していなかったとの認識を示した。

そして、損保ジャパンの親会社にあたるSOMPOホールディングスの櫻田謙悟(さくらだ・けんご)会長は、不正を繰り返したビッグモーターについて「どうして、こういう会社とお付き合いすることになったのかと…“痛恨の極み”というのが、私のその時の率直な感想です」と述べた。
金融庁は、ビッグモーターと損保ジャパンに対し、9月中旬をめどに立ち入り検査を行う見通しだ。
(「イット!」 9月8日放送より)
※FNNでは「ビッグモーター不正問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。