訪問販売で、不必要な火災報知器の電池の交換を迫り、現金をだまし取った疑いで、大阪市内の男ら5人が9月4日に逮捕された。5人がターゲットとしていたのは、団地に住む高齢者だった。

逮捕前、記者の質問に対し…

違法なことはしていないという認識でよろしいですか?」と質問した記者に対し、「してませんけど」と答えた野埼宇宙(そら)容疑者(24)。9月4日、詐欺の疑いなどで逮捕された。

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野埼永遠(とわ)容疑者(25)と弟の宇宙容疑者(24)ら5人は、2023年1月、大阪市の市営住宅に住む80代の女性らに対し、不必要な火災報知器の電池交換を迫り、新品と装って中古の電池に交換し、あわせて約2万円をだまし取った疑いが持たれている。

5人が名乗ったのは、訪問販売会社「エスカーリー」。永遠容疑者が代表、宇宙容疑者が現場責任者として、執拗な訪問販売を繰り返していたとみられる。

警察が押収した顧客リストには、あわせて1,500人ほどの名前があり、売り上げは約3,500万円だということだ。

「消防の人が来たと思って開けてしまった」

野埼兄弟らが狙ったのは、高齢者が多く住む団地だった。

大阪市内の団地住む60代のAさん:
火災報知器の点検に来ましたということで、私は消防の人が来たと思って、思わず開けてしまった。そしたら、普通の民間の人だったので、うちは結構ですって言ったんですよ

2022年11月、「火災報知器の点検を行う」と言って、突然、男が訪問してきた。不審に思ったAさんは点検を断ったが、男は言葉巧みに営業を続けた。

大阪市内の団地住む60代のAさん:
それを受けなかったら、消防法違反になる。市の方から頼まれて来てますって言うんですよ。それでもいいからって言ったら、今度、市の方から再調査が来ますよ、その時はお金がかかりますよって言うんですよ。自分たちだったら今は無料で点検しますよって

大阪市から頼まれてきたと点検を迫る男。しかし、身分証を見せない男に不信感を持ったAさんは再び点検を断った。すると、これまで穏やかだった男の態度が急変する。

大阪市内の団地住む60代のAさん:
市の方に拒否されたということを報告しますって言い始めて。おかしいでしょ。絶対、点検しなければいけないって感じにさせる。最初は、怖くもなかったけどだんだん怖くなりました

Aさんは、なんとか男を家から追い出したが、野埼兄弟らの魔の手は次のターゲットへ向かった。

Aさんと同じ日、同じ団地に住む80代のBさんの家に、男が「古い火災報知器を交換する」と来たという。

Aさんと同じ団地に住む80代のBさん:
ドスドスと玄関入って、それから2~3つ火災報知器があるわって勝手に家の中を探して。ベッドに上がって

男は、火災報知機の有効期限が切れていて、このままでは罪に問われると説明。Bさんは「すぐに変えなきゃ」と、言われるがまま代金3,6000円を支払ってしまった。

その後、Bさんの被害を知った自治会の担当者がクーリングオフを行うと、全額が返金された。

「交換しないと違反」とは言っていない

高齢者を狙い、悪質な訪問販売を行っていた野崎兄弟。逮捕前、弟の宇宙容疑者は、自身の関与を否定していた。

 ーー交換しないと違反だとは言ってない?

逮捕前の野埼宇宙容疑者:
言ってないですよ。特商法違反にあたるからね。プレーヤー(営業担当)がお金欲しくてやっちゃったことあるでしょ。お金がない子はお金欲しくなるじゃないですか。その分の責任を負わすためにパーセン(取り分)渡してるし、取り決めを破ったなら、こういう仕事だから捕まるよという話をしているし

ーー指示したわけではない?

逮捕前の野埼宇宙容疑者:
それはそうやで。警察に全部聞いたらいいやん

警察は、永遠容疑者らの認否を明らかにしていないが、余罪があるとみて捜査を進めている。

(関西テレビ「newsランナー」2023年9月4日放送)

関西テレビ
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