熊本県などは、阿蘇の世界文化遺産登録を目指している。9月5日、報道陣を対象に現地での視察ツアーを開き、阿蘇の魅力を説明した。
世界文化遺産登録に向け広く発信してほしい
熊本県と阿蘇地域の7市町村は、阿蘇の大自然を世界にアピールするため世界文化遺産への登録を目指していて、現在、登録の前段階となるユネスコ(国連教育科学文化機関)へ推薦する国内候補の「暫定一覧表」に記載されるよう、様々な活動に取り組んでいる。

これらの動きを広く発信してもらおうと、熊本県は9月5日、報道陣を対象に現地の視察ツアーを実施した。
九州全体の水資源を支える阿蘇
県文化企画・世界遺産推進課 花田杜綺学芸員:
阿蘇の特徴は、山の上に草原があります。そして下っていくにつれて森林があって、山のふもとに集落があります。そしてカルデラ床の低いところに水田や田畑が存在し、これが阿蘇では(カルデラに沿って)全面に展開されています

また阿蘇は、6つの一級河川の源流になっていて、その水資源の量は1年間の水道使用量486万人分に相当するとし、熊本の地下水だけではなく九州全体の水資源を支えていると説明。森林よりも草原の方が地下水涵養(かんよう)量が多く、草原を維持していくことの重要性も訴えた。
草千里や阿蘇五岳などを見学
その後、草千里や阿蘇五岳の南側、南郷谷も見て回り、独特の地形やそこに根付く人々の営みなどを説明した。

県などは、阿蘇の価値として「カルデラの地形を生かした土地利用」「野焼きや放牧など草地の管理」「豊富な湧き水の利用」などを挙げ、「これらを備える資産は阿蘇以外存在しない」としている。
県では、今後も世界文化遺産登録に向けて、景観の保全や国などへの働きかけを続けていきたいとしている。
(テレビ熊本)
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