8月27日、愛知県長久手市の市長選挙が投開票され、新人で元市議の佐藤有美さんが初当選を果たした。愛知県の自治体で女性のトップが誕生するのは初めてだ。
県内の地方議会で働く女性議員たちも佐藤さんを支援
長久手市長選の選挙戦初日。
佐藤有美さん:
今日、私がこの場に立っていることが、12年間の議員生活の総括です

33歳で市議に初当選し、3期12年務めてきた佐藤有美さん(45)は、子育て支援を掲げ「18歳までの医療費無償化」などを訴えた。
佐藤さんの選挙戦を支えたのは2人の子供たちだ。

長男の佐藤領馬さん(20):
忙しい忙しいといつも言っているんですけど、ちゃんと仕事をこなしていてとても尊敬しています
大学生の息子は一緒に街頭に立つなどし、母親をサポートした。

長女の佐藤萌花さん(14):
当選しないと学校とかでも気まずいので、何としても当選してほしい
中学3年の娘は受験勉強の合間を縫い、事務所に飾るメッセージボードを手作りした。

県内の地方議会で働く女性議員の仲間たちも、佐藤さんを支援した。
大島令子長久手市議:
佐藤有美候補には決断力があります
今回の選挙戦で、選対本部長として佐藤さんを支えた長久手市議の大島令子さん(71)には、特別な思いがあった。

大島令子市議:
私は(町長選挙に出たのが)12年くらい前でしたので、時代も変化してきましたし。そのころは「女性はダメだ」とかバッシングがあって、世間一般の皆さんが女性は議員まではいいけど、首長はなかなか認めない風潮だった
大島さんは、自らも市になる前の長久手町長選挙に2度挑戦し、落選した。
佐藤有美さん:
アドバイスなどもいただいて、今日この場に立つことができていると思っているので、本当にありがたいなと思っています
そして投開票日。新人三つ巴の接戦だったが、午後10時25分ごろ、ついに佐藤さんに当選確実の一報が届いた。
大島令子市議:
嬉しい、よく頑張った
愛知県で初めての女性市長の誕生に、以前、隣の日進市で市長選挙に挑戦した女性たちも祝福した。

2007年に日進市長選に立候補した白井えり子市議:
これで風穴があいた。よしって感じ
2019年に日進市長選に立候補した島村紀代美市議:
今回、大きな大きな第一歩なので
一夜明けた28日、佐藤さんは街頭に立って市民に今の気持ちを伝えた。

愛知県で初の女性市長が誕生したことに、長久手市民は…。
市民A:
新しくいろいろ取り組んでいただけると、それが楽しみですね
市民B:
あまり関係ないんじゃない?女性、男性は
日本一若い街のかじ取りを任された佐藤有美新市長。初登庁は9月18日だ。
佐藤有美さん:
日々の暮らしの中で、女性だから見えることというのはたくさんあります。市政に今後活かしていきたいと思っています
【長久手市長選挙の結果】
当選 無・新 佐藤有美 氏 7192票
無・新 岩岡ひとみ 氏 5442票
無・新 佐野尚人 氏 4975票
(東海テレビ)