母が提案!高1息子のお料理チャレンジ

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外食の機会が少なくなり「自炊疲れ」を感じたという人も多いのではないだろうか。

家族の食事を作るのはお母さんの役目…という家庭が多いだろうが、そんな中、56日間にわたって家族3人の食事を作った高校1年生の男子の奮闘記が話題になっている。

「今日から、息子(中3)が晩ご飯を作る事にしてました。予算は1日千円。残った分は、小遣いとして渡す約束」

Twitterユーザーのピョンちゃん(@miramania56)さんが今年3月に投稿したのは、中学3年生の息子さんが夕食当番になったという報告。
中学卒業から高校入学までの期間を使った7日間のチャレンジを母親のピョンちゃんさんが、当初提案したのだという。

そのルールは

・使えるのは1日1000円まで
・余ったお金は息子さんのお小遣いになる
・タンパク質を1種類必ず入れる
・野菜のおかずを1つ必ず入れる
・汁物を付ける


というもの。

チャレンジ1日目のメニュー
チャレンジ1日目のメニュー
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なかなか中学生の男子にはハードルが高そうだが、初日となる3月10日の投稿にはエビの入ったパスタとにんじんのサラダ、スープの写真が添えられ、順調な滑り出しの予感がする。

息子さんの予定に合わせて、時にお母さんが夕食を作る日もあったそうだが、3日目には“料理コラムニスト”の山本ゆりさんのレシピ本を参考にメニューを考え出し、4日目には「遊びに行く前にほうれん草のお浸しを作って行ったそう。要領も良くなってきた」と早くも成長が感じられる。

チャレンジ6日目のメニューは、鶏胸肉のねぎ塩だれ・モヤシとほうれん草のナムル・ほうれん草のかき玉汁
チャレンジ6日目のメニューは、鶏胸肉のねぎ塩だれ・モヤシとほうれん草のナムル・ほうれん草のかき玉汁

次第にメニューを考える中で「鶏もも肉は高いんだよ!」「洗い物少なくて油跳ねなくて最高」など、料理に慣れてきた様子のコメントをする息子さん。

そしてまもなくチャレンジ終了という6日目には「材料は使い回せる」という発見から、冷蔵庫の残り物と相談して買い物はネギだけと少なく抑えることにも成功している。

延長戦に突入…お料理スキルはぐんぐん成長

この7日間のチャレンジで使ったのは合計3336円。一食を500円以下に抑え、3664円のお小遣いをゲットした息子さんだったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて高校の授業開始が延期になったことから、自らチャレンジの続行を決定。56日間にわたるお料理チャレンジが開始された。

21日目のメニューは「初挑戦の鮭のムニエル」
21日目のメニューは「初挑戦の鮭のムニエル」

途中、仕事中のお母さんのもとに「裏ごしってどうやるの?」と電話がかかってきたり、「人生初のみじん切り」「人生初、手のひらの上で豆腐を切る」などの初体験の報告があるのも微笑ましい。

調理中の息子さん。レンジを使った料理は「途中爆発してビビりましたが美味しかった」そう
調理中の息子さん。レンジを使った料理は「途中爆発してビビりましたが美味しかった」そう

31日目には親子ゲンカが勃発してしまったそうで、「黙ってればいいのに盛大に口出ししてごめん。毎日ありがたいのに、毎日だとありがとうの気持ちが減るのは良くないね」と、ついつい手助けしたくなるお母さんの複雑な気持ちが綴られているが…

32日目「鮭とジャガイモのチーズクリーム煮」の出来は…
32日目「鮭とジャガイモのチーズクリーム煮」の出来は…

続く32日目には、笑顔の顔文字付きで「ジャガイモのレンチン忘れてるし、めっちゃ塩っぱいし」「余計な口出ししなかったけど、した方がいいの?どーなの?」と、思わず笑ってしまうようなやりとりも記録されている。

49日目はハンバーグ。母の日の特別メニュー「ヨーグルトいちごムース」も
49日目はハンバーグ。母の日の特別メニュー「ヨーグルトいちごムース」も

途中、高校も無事始まり夕食作りはお休み期間も挟みつつ、6月29日にはとうとう56日間、8週間にわたるチャレンジが終了。最終的なお小遣いは1万9669円になった。

このチャレンジを見守ったTwitterユーザーからは「毎日作るの大変なのに、56日も数品作り続けるっていうのがすごい」「家族のためにごはんを作る息子さんも、それを応援するお母さんも素敵」との声が続々。最終日のツイートには16万いいねがついた。(7月2日現在)

「卒業してから約3カ月、コロナによる長い休みに食と経済について、大分勉強になったと思います」と話すお母さんと、実際に包丁を握った息子さんに、今回の挑戦についてお話を聞いてみた。

見守った母は「子どもは成長する!」

まずは、お母さんのピョンちゃんさん。

――この挑戦を始める前から、息子さんはお料理をしていた?

ほとんどしていません。


――「野菜のおかずを1つ入れる」などのルールは、お母さんが実践しているもの?

晩ご飯を作る予算に主食(米や麺類)は入れてないので、節約したいために、毎日塩むすびと味噌汁とかになったら嫌だったので、咄嗟に思いついて提案しました。


――お母さんが「これはおいしい!」と思ったメニューは何?

息子も気に入って、何度も作っていた「鶏もも肉のウスターソース煮」というメニュー、もちろん山本ゆりさんレシピですが、家庭で余りがちなウスターソースをわざわざ買い足すほどに美味しかったです。レンジだけで出来ます。

お母さんイチオシの「鶏もも肉のウスターソース煮」
お母さんイチオシの「鶏もも肉のウスターソース煮」

――息子さんが成長した!というポイントはどこ?

初めは「本を見て料理を決め、買い物に行き、調理する」という順番が「家にある材料を見て、献立を決め、足りない物を買い足し、調理する」に変わりました。
また、野菜物サラダやお浸しなど冷めてもいい物は先に作り、温かい物は後で熱々を出すなど、段取りも覚えました。


――チャレンジを通じて気付いたこと、感想は?

それは、一言、子どもは成長する!です。
あとは、お金と食とは一生付き合うので、物の値段がわかって、自分で食べる事が出来たら、心配要らないな!

息子「母の大変さが身に染みた…あと、鶏ムネ肉は安いです」

続いては、息子さんにお話を聞いた。

――このチャレンジを始めた当初の気持ちは?

暇つぶしに最適だと思いました。


――毎日料理する中で気付いたことは?

母の大変さが身に染みてわかりました。あと、鶏ムネ肉の安さを知りました。ごま油最高です!

作った料理たちがズラリ
作った料理たちがズラリ

――チャレンジを終えて、感想は…

まさか、自分の暇つぶしがここまで話題になるとは思っていませんでした。料理やお菓子作りはとても楽しいです。自分の新たな趣味になったのでよかったです。


――ちなみに、お小遣いは何に使う予定?

電子ドラムと乃木坂46のグッズに使おうと思ってます。


「包丁を使って具材を切る作業が楽しかった」という息子さん。
初めは暇つぶしで始めたチャレンジだったが、最終的には毎日ごはんを作ってきたお母さんの苦労を知ることに繋がったようだ。

お小遣いは趣味に使う予定だというが、新たな趣味に料理が追加されたのも、嬉しい発見に違いない。

ちなみに、お母さんの料理で一番好きだと話してくれたのは「ほうれん草のかき玉汁」。
チャレンジ中にもたびたび登場していたこちらのメニューは、息子さんにしっかりと受け継がれているようだ。

こちらは息子さん作の「ほうれん草のかき玉汁」
こちらは息子さん作の「ほうれん草のかき玉汁」

長い休校期間を利用しての、親子でのチャレンジ。
新型コロナウイルスの影響で「おうち時間」が増え、窮屈な思いをした人も多かっただろうが、普段しないことに挑戦してみることで、新たな発見ができるかもしれない。
 

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プライムオンライン編集部
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