夜中の暗い廊下で明るく先導する“照明”がTwitterに投稿され、話題となっている。名前は”歩くベッドサイドランプ”だ。

普段はITエンジニアとして働くlaniusさん(@lanius)が作ったもので、四角いキューブ型のランプの下にはガッシリとした昆虫のような6本の脚が付いている。

歩くベッドサイドランプ
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投稿された動画には、暗い廊下を明るく照らしながらチョコチョコと歩き、laniusさんの娘さん(長女)をトイレまで導く様子などが映っている。

長女を先導

一方で、ランプに脚が生えているという存在を怖く感じたのか、次女は近づいてくるランプから逃げてしまう場面も…。

明るく照らしてくれて、トイレに行く時は怖くないかもしれないが、動きが生き物のようでもあり、このランプの存在に恐怖心が生まれてしまったのだろうか。

逃げる次女

Twitterでも「めちゃくちゃ天才だしめちゃくちゃかわいい」「なんだか最先端ですね」などの称賛だけでなく、「いやまずこれが怖い」「こんなんめちゃくちゃ怖いわw」といったコメントが寄せられ、動画再生数は515万回を超え、いいねが22万以上付く話題となっている(6月9日時点)。

なお、laniusさんは「心がある」と感じられるような人工物を作りたいと、いろいろな身の回りのものに脚をつけており、編集部では以前、お片付けを手伝う“歩くおもちゃ箱”を紹介している。

歩くおもちゃ箱

(関連記事:お片付けをしない問題を解消!?父親作の“歩くおもちゃ箱”がかわいい…子どもの反応を聞いた

暗い中を同伴して歩いてくれる頼もしいパートナー

では、今回の”歩くベッドサイドランプ”のデザインはどのようにして決めたのか?  また、どのような仕組みで動かしているのだろうか? laniusさんに話を聞いてみた。


ーーベッドサイドランプに脚を付けようと考えた理由は?

普段から生活の中で「本来動かないものが動くことによって便利になるシーンはないだろうか」と考えていまして、いくつかの案の中からベッドサイドランプに着目しました。

もし普段動かないランプが動いたら、人が必要な場所に必要なだけの明かりを提供してくれるし、それだけでなく、暗い中を同伴して歩いてくれる頼もしいパートナーとして「安心感」に寄与できるのではないか、と思いついたからです。


ーーデザインはどうやって決めたの?

四角いキューブ型ランプを選んだのは、率直に脚がくっつけやすそうだったからです。「歩くベッドサイドランプを作ろう」と思いついて頭の中で想像したとき、しっくりきたのがこの形でした。

前回のおもちゃ箱同様に脚を使っていますが、脚は車輪と違って、段差や障害物を回避できるので狭くて散らかった通路でもうまく移動したり、部屋と部屋の仕切りを乗り越えられるといった利点があります。あとはやはり車輪などと違って生き物感があるので、愛着だったりその先にある「心」を感じやすいだろうと考えていまして、もともとの狙いであった心強さや安心感に寄与するかと思って選んでいます。

廊下を歩いている様子

ーーこだわった点を教えて。

おもちゃ箱と大差ありません。ランプ以外も含めたお話になりますが、「動く家具・家電」として、もともと持っている形や機能を活かして、なるべく最小限の工夫で生活の役に立つシーンがイメージできるものを作ることを念頭に置いています。慣れない「ロボット」を新たに導入するのではなく、日常の中にすでにあるものが気を利かせてくれることで生活が豊かになるほうが、使い続けるハードルが低いのではないかと考えています。


ーーどうやって動かしているの?

リモコンで操作しています。自律的に動作する仕組みの開発も並行して進めています。

お座りもする

laniusさんによると、作り方は歩くおもちゃ箱と同様に、ランプに接続できるような脚をコンピューターで設計し、必要な部品をそろえて組み立てている。そして、本体との接続部品や脚の構造部分などオリジナルのパーツは自宅の3Dプリンターでプリントしているという。なお、今回はおもちゃ箱のときに使った部品のほとんどを流用することで、省力化・ショートカットしているそう。

点灯前

また、本体がおもちゃ箱からランプに変わることで、「本体との結合部分の再設計や、脚の配置や動かし方の調整などが必要になりますので、そのあたりを対応しています」とのことだ。

制作期間は約1週間で、トータルの部品を合わせると費用は約15万円になったという。

「(怖くて)漏らしてしまう」というSNSの反応は誤算

ーー出来映えの感想を教えて。

まだ実験中ですが、夜中のトイレに行く恐怖心を和らげる効果はあるんじゃないかと思います。過去いくつか似たようなロボットを作っていて、子どもが比較的慣れているので、怖がらず可愛がってくれます。トイレに同伴させることで夜中の廊下歩きに「心強い」と感じるのではないでしょうか。


ーー子どもたちの反応はどうだった?

上の子は慣れてきたこともあり「かわいい」「楽しい」といって触れ合ってくれています。下の子は驚いて逃げてしまいます...。

毎回意外な、そして可愛い反応をしてくれるので、とても楽しいです。本来の狙いとは異なりますが、少しでもロボットやテクノロジーの魅力を感じてくれたらとは思います。

触れ合う長女

ーー投稿には多くの反響があるが、どう感じている?

予想外に多くの方に反応いただいて驚いていますが、賛否含めていろいろなコメントをいただけるのが楽しいです。わたし自身が「こういうものが家にあったらいいのに」と考えて作ったものなので、「かわいい」「ほしい」などポジティブな感想に対しては「やっぱりそうだよね!」と嬉しく思います。


ーーコメントの中には「怖い」といったものもあったが?

「怖い」という反応が来ることは想定していました。恐怖の対象は人によって異なるので致し方ないと思っていますが、一定数「(怖くて)漏らしてしまう」という方がいるのは誤算でした。トイレに連れて行ってくれるはずが持ち主が漏らしてしまってはデザインとしては失敗ですね。

後ずさる次女

今後もこの歩くベッドサイドランプは、使用できるように改良を重ねていく予定だという。

ちなみに、歩くおもちゃ箱の現在だが、部品を流用する都合で1度解体したのだそう。開発を進めながら再生したいとも話している。

歩くおもちゃ箱

暗い廊下を明るく照らす“歩くベッドサイドランプ”。暗闇の中で突然現れたら怖いかもしれないが、チョコチョコ歩き先導する姿を見ると、かわいらしさと共に頼もしさを感じられるのではないだろうか。

今後も改良を重ねるとのことで、どう変化していくのか楽しみだ。

記事 4300 プライムオンライン編集部

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