八ヶ岳山麓の長野県原村で幼なじみの2人が営む農園。トウモロコシは糖度が高く「メロンより甘い」のが自慢だ。今年から始めた収穫体験もにぎわっている。2人は「自分たちが作ったトウモロコシで感動を与えられたら」と意気込んでいる。

収穫体験も人気
収穫体験も人気
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メロンより甘い!?糖度は平均20度 

八ヶ岳山麓の「ハマラノーエン」。

太く実ったトウモロコシ。それを生のまま畑で味わう。

「今まで食べたトウモロコシより甘い」、「中から汁がジュワ―って出てくる」と食べた瞬間に感動の声が。

8月から始まった収穫体験は、家族連れなどに好評だ。

販売する、名付けて「八ヶ岳生とうもろこし」の糖度は平均20度。「メロン(糖度約16度)より甘い」のが自慢。

生のまま冷やすと、甘さがさらに引き立つんだとか。

冷やして食べるのもおすすめ
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幼なじみ トウモロコシで感動を

ハマラノーエンを営むのは、原村の折井祐介さん(40)と柳沢卓矢さん(39)。

原村と茅野市でおよそ20万本を栽培している。

2人は、「自分たちで作ったトウモロコシで感動を与えられたら」と意気込んでいる。

左:折井祐介さん 右:柳沢卓矢さん
左:折井祐介さん 右:柳沢卓矢さん

原村で生まれ育った2人。保育園から中学まで一緒で、その後もずっと気が合う友達だった。

折井さんが旅行、柳沢さんが自動車関連の会社に勤めてからも「いつか一緒に新しい仕事をしよう」と話していた。

そして2011年、折井さんの祖父母が高齢のため農業をやめることになったのを機に、農園経営に乗り出す。

2人は幼なじみ
2人は幼なじみ

「ハマラ」は、原村の「ハラ」の中に「マ」で「原村の仲間」を意味する。

2人でさまざまな作物を育てるうちに、生で食べられるトウモロコシに出会う。

折井さんは、農園をはじめたきっかけについて、「自分たちが、たまたま食べて本当においしくて感動して、こんなにおいしいトウモロコシなのに世の中に知られてないのはもったいない。自分たちは、もともと営業マンだったので、自分たちの力で魅力的なものを発信できないか」と考えたと話す。

平均糖度20度以上、メロン(糖度約16度)より甘い
平均糖度20度以上、メロン(糖度約16度)より甘い

「おいしさの秘密」を知って

ネット販売を始めたところ評判となり、生産を拡大。2022年、直売所を設けてからは客が絶えない。

おしゃれな店のデザインや環境を整えるのは、柳沢さん。

アイディアを出し、客にPRしていくのは折井さん。お互いの強みを生かしている。

さらに、トウモロコシにはさまざまなこだわりがー。

販売するのは、一つの株で一番上に最初にできる甘さや形が優れた1本だけ。2番手以下は加工用に回す。

実が重くなり傾いたら取り頃
実が重くなり傾いたら取り頃

「生で食べておいしい期間は短く、一つの株で3日ぐらいのうちに収穫しなければいけない。リレー栽培していくので、かなり細かく作付けしている」と折井さんは説明する。

おいしさの秘密を知ってもらいたいと、8月3日から始めたのが「収穫体験」だ。

折井さんは、「ここは標高約1100、夜は気温が一気に下がり、15度くらいになり、日中は30度以上に上がるので、昼夜の寒暖差が15度以上ある。寒暖差が大きいほど、夜の間に甘みがたまっていくので、甘くておいしいトウモロコシを作る場所として適している」と話す。

8月から収穫体験をスタート
8月から収穫体験をスタート

「楽しんでいる姿」も伝われば

子どもたちは、自然の恵みを感じながら収穫を楽しんでいた。

そして、収穫後は焼きトウモロコシがふるまわれる。

「おいしい!」と食べる手が止まらない子どももー。

「体験、八ヶ岳の気候、景色の良さ、空気感含めておいしさとして捉えていると感じていて、本当にやってよかったし、満足度が違う」と折井さんから笑みがこぼれる。

子どもが夢中!
子どもが夢中!

販売するだけでなく、体験も提供して楽しんでもらいたい―。

この思いは、2人の農業への取り組み方と重なる。

ハマラノーエン・折井祐介さん:
仕事をしようと思ってやってきたというより、楽しいことをやってきたら仕事になった

ハマラノーエン・柳沢卓矢さん:
「楽しくやろうね」が一番根底にあるので、それが守れて、楽しくやれているので、これからも頑張っていきたいなと

ハマラノーエン・折井祐介さん:
自分たちが楽しんでいる姿が、結果的にはお客さんに伝わって楽しんでもらえる。そこは一番大事にしていきたい

原村で生まれ育った幼なじみの折井さん、柳沢さん
原村で生まれ育った幼なじみの折井さん、柳沢さん

(長野放送)

長野放送
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