島津製作所の子会社が医療機器にタイマーを仕掛けて故障を偽装し、不正に修理を行っていた問題で、熊本県は島津メディカルシステムズに業務改善命令を出した。熊本県は、1カ月以内に再発防止策などをまとめた改善計画の提出を求めている。
熊本県が島津メディカルに業務改善命令
この問題は、医療機器の修理を行う島津メディカルシステムズの熊本営業所の担当者が2016年から2018年にかけて、県内5つの医療機関のエックス線装置にタイマーを仕掛け故障を偽装し、不正に有償での修理を行ったものだ。

熊本県は2023年2月、法律に基づいて熊本営業所に対して立ち入り検査を実施。

タイマー設置による改造が無登録での医療機器の製造行為に当たるなど複数の法律違反が確認されたとして、8月18日付で業務改善命令を出した。
業務改善命令では1カ月以内に法令を順守する組織体制の構築などを、再発防止策としてまとめて熊本県に提出するよう求めている。
蒲島知事「改善状況を監視していく」
熊本県の蒲島知事は「人の健康や生命に関係する機器を取り扱う企業が、県民に不信感や不安感を与えたことは大変遺憾。改善状況を監視していく」とのコメントを出した。

一方、親会社の島津製作所は業務改善命令を重く受け止め、代表取締役ら役員3人の報酬の一部を自主返納すると発表した。

なお、島津製作所の外部調査委員会がまとめた報告書では、今回の5件以外にも同じような偽装の疑いが熊本、宮崎、鹿児島、長崎の4県で合わせて38件確認されている。
(テレビ熊本)