ガソリンの価格が、約15年ぶりに181円台まで値上がりした。

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経済産業省は、14日現在のレギュラーガソリン全国平均小売価格について、前週より1円60銭高い、1リットルあたり181円90銭だったと発表した。

ガソリンの値上がりは13週連続で、181円台は約15年ぶりだ。

ガソリン値上がりの要因は、原油価格の値上がりや円安の進行に加え、ガソリンなどの燃料価格の負担軽減策として、国が給付している補助金の補助率が、6月から段階的に引き下げられていることだ。

1990年に統計が始まって以降、ガソリンの最高値は185円10銭だった。

翌週も補助率の引き下げや円安などが影響し、引き続き値上がりとなる見通しだ。

“ガソリン補助金”の延長も…個人消費の維持を

「Live News α」では、市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
ガソリン、高いですね。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
今、ガソリンが高騰しているのは、原油価格の再びの上昇、円安の進行に加えて、政府の補助金が段階的に削減されているからです。

政府は補助金を6月から段階的に削減していて、9月末には撤廃する予定になっています。今後の円安の進行次第では、200円も視野に入ります。

堤 礼実 キャスター:
ガソリン価格の高騰はドライバーの方だけではなく、物流全体にも影響がありますよね。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
物流コストの上昇はさまざまな商品・サービスの値上げ要因にもなります。そこで、政府内では今、「ガソリンへの補助金の延長」を検討し始めています。ただ、補助金は市場原理をゆがめ、根本的な解決にならない。「そもそも、財源はどうするんだ」という声も聞こえてきそうですが…。

少なくとも財源については手当できるように思います。というのも、22年度の日本の税収は過去最高の71兆円。いま、国のお財布はパンパンに膨らんでいるんです。

実は、この背景には物価高があります。今、あらゆる商品・サービスが値上がりしていますが、これらには、すべて10%の消費税がかかります。つまり、値上がりすれば、するほど、国に入る消費税が増えます。具体的には、前の年と比べて、消費税による税収は1兆円もアップしています。

ガソリンへの補助金を撤廃してこのまま価格が上昇してしまうと、この先の表面的な物価CPIは0.3%~0.5%ほど押し上げられる一方、個人消費は0.2%押し下げられる試算もあります。

“税収”の在り方を見直すべき

堤 礼実 キャスター:
国民が納めた税金を、予算というかたちで、どう分配するのかが問われているわけですね。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
ガソリンだけではなく、子育て支援や防衛費なども予算の増額が求められていますが、安易に「増税」に走るのではなく、知恵を絞るべきです。

例えば、国が保有しているNTTなどの株式を売却することで、財源を確保するといった議論もあります。

物価上昇が続くなかで、賃金はまだ上がっていません。そんな中で「増税」はあり得ません。
むしろ、税収の最適な分配、使い道をしっかりと考える時期です。

堤 礼実 キャスター:
ガソリン価格の高騰は暮らしに直結するものですし、個人消費の更なる悪化という悪循環に入らないためにも、国民の生活を第一に考えた税の分配。さらには、私たちが負担する税の在り方についてもあわせて見つめ直す必要があるのかもしれません。

(「Live News α」8月16日放送分より)

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