終戦の日の15日、政府主催の全国戦没者追悼式が、東京・千代田区の日本武道館で開かれ、岸田首相が式辞で、「戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この決然たる誓いを今後も貫いていく」と述べた。
また、「積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携え、世界が直面する様々な課題の解決に、全力で取り組む」と強調した。
岸田文雄首相の式辞全文は次の通り。
天皇、皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族、各界代表のご列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行いたします。
先の大戦では、300万余の同胞の命が失われました。
祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦場に斃(たお)れた方々。戦後、遠い異郷の地で亡くなられた方々。
広島や長崎での原爆投下、各都市での爆撃、沖縄での地上戦などにより犠牲となられた方々。
今、すべての御霊(みたま)の御前にあって、御霊安かれと、心より、お祈り申し上げます。
今日の我が国の平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い命と、苦難の歴史の上に築かれたものであることを、私たちは片時たりとも忘れません。改めて、衷心より、敬意と感謝の念を捧げます。
未だ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。国の責務として、ご遺骨の収集を集中的に実施し、一日も早くふるさとにお迎えできるよう、引き続き、全力を尽くしてまいります。
戦後、わが国は一貫して、平和国家として、その歩みを進めてまいりました。
歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました。
戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この決然たる誓いを今後も貫いてまいります。
未だ争いが絶えることのない世界にあって、我が国は、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携え、世界が直面する様々な課題の解決に、全力で取り組んでまいります。
今を生きる世代、そして、これからの世代のために、国の未来を切り開いてまいります。
終わりに、いま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆さまにはご多幸を、心よりお祈りし、式辞といたします。