「第50回記念くまもとマーチングフェスティバル」が、8月12日に熊本市東区にあるえがお健康スタジアムで開催される。この真夏の恒例イベントはいかにして始まったのか、生みの親である関係者の話と、貴重な映像で振り返る。

熊本のマーチングの生みの親・森義臣さん

2022年8月、熊本市東区のえがお健康スタジアムで「第49回くまもとマーチングフェスティバル」が3年ぶりに開催され、熊本県内の小中学校や高校など16の団体から約750人が出場した。

第49回くまもとマーチングフェスティバル
第49回くまもとマーチングフェスティバル
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このイベントの「生みの親」は熊本県マーチングバンド協会の名誉会長の森義臣さんで現在81歳だ。

イベントの「生みの親」・森義臣さん
イベントの「生みの親」・森義臣さん

森義臣さん:
49回、次が50回ですから、そんなに続いたんだなと思って。最初はマーチングの“マ”の字も誰も知らなかったんだから、「マーチング」って何ですかって。今は「マーチング」は誰でも知っている

49年前の初回はマーチングだけでなく…

「くまもとマーチングフェスティバル」は1974年(昭和49年)9月25日にその歴史が始まった。

全ての出場者で「錨をあげて」を合同演奏
全ての出場者で「錨をあげて」を合同演奏

第1回の会場は熊本市立水前寺体育館。22団体が出場し、オープニングは全ての出場者が入場行進をして「錨をあげて」を合同演奏した。

この1年3カ月前、玉名女子高校吹奏楽部の顧問だった森さんは、開局5周年を翌年に控えていたTKUにマーチングイベントの開催を相談。「教育的意義がある」とTKUも応じることになった。

第1回開催のため1年以上かけ準備
第1回開催のため1年以上かけ準備

森さんはその後も学校、企業などに出演交渉の足を運び、準備に1年以上をかけ、この第1回開催にこぎつけた。

森義臣さん:
吹奏楽のステージでの演奏が上手になるためにマーチングに取り組んだんです。福岡の楽器店の会社から「マーチングというのが関西でやっているから見に行きませんか」と。いいなと思って行ったんです。そしたら“目からウロコ”ですよ

第1回のイベントでは寸劇も披露された
第1回のイベントでは寸劇も披露された

この第1回、途中にはテレビアニメや時代劇のヒーローに扮(ふん)した寸劇も披露され、観客に楽しんでもらうための演出も見られた。第2回も同じく水前寺体育館で開催し、趣向を凝らした演奏と演技の数々が人々を楽しませていた。

森さん「厳しい指導がいい形で波及」

ゲストは兵庫・神戸市の須磨ノ浦女子高校で、このとき森さんは、その演奏と演技もさることながら普段からの折り目正しい行動に驚き、感銘を受けたという。

森義臣さん:
須磨ノ浦女子高校の生徒はバーッと来て楽器を大きい方から小さい方にきちんと並べて整列するわけです。それで「そろいました」と言う。これがやっぱり違うかなと思って。これはもう教員の責任だと思って。それから3年間ぐらいはかかりましたけれども、きちんと整列をする。楽器もどこに行くにもきちんと並べる。整列する。そして返事もきちんとする。厳しく指導したんですけれども、それはいい形で波及しますね

森義臣さん:
マーチングは動きますでしょう。動く時にみんな一緒に心を合わせなきゃ呼吸を合わせなきゃいかんもんですから、教育的には生きてきたんじゃないかなと思います。それを先生方、皆さんに理解していただいて県内に普及していったから、「軍隊の訓練のようなことをするな」と言われた時代もありますけれども、「それは違う」と

実生活にも通ずるマーチングの大切さ
実生活にも通ずるマーチングの大切さ

森さんは「みんなで一緒に呼吸を合わせるというのは人間の実社会の中でも必要」と話し、「呼吸を合わせることはマーチングの一つの基本」とマーチングの大切さを語ってくれた。

この「KMバイオロジクス・プレゼンツ 明日を築く若人の祭典「第50回記念くまもとマーチングフェスティバル」は、えがお健康スタジアムで8月12日午後4時半に開演で、50回記念の今回は、これまで出場経験のある人たちのための舞台も用意され、ナオト・インティライミさんとLeolaさんもスペシャルゲストとして登場する。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
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