豊平川にかかる車用の橋としては、36カ所目となる「北24条桜大橋」が開通した。長さは319メートル。豊平川の橋では「雁来大橋」に次ぐ2番目の長さだ。
札幌市・豊平川に“巨大な橋”が開通

道央道と札樽道の出入口札幌JCTがある「札幌新道」、市内を1周する幹線道路「環状通」の付近には住宅街に加え大きな物流拠点も多く、どちらの通りもこの付近はそれぞれ1日4万~5万台の車両が通行する市内有数の交通過密地帯になっている。

2つの通りの間に新たな橋を作ることで、交通量の分散を目指す。「北24条桜大橋」の開通に、利用者や地域の人の期待が高まっている。
「大型トラックやJCTで冬は特に渋滞が多い。混雑が解消して住みやすくなれば。東苗穂のショッピングセンターに行きやすくなる」(通行人)

橋のたもとはどんな街?街の魅力を再発見

「北24条桜大橋」のたもと、札幌市東区・東苗穂側の通りには、物流施設や自動車や重機の整備工場、町工場などが連なっていて、“スイーツ”の激戦区でもある。
国道沿いのわずか150メートルの間に有名スイーツ店「ろまん亭」「ロイズ」が並んでいる。

さらに歩いて5分ほどのエリアには、穴場中の穴場の店「きのとや東苗穂工場直売店」も。

この工場では、シュークリームやクッキーなど「きのとや」のすべての品物が作られている。

もちろん工場直売店ならではの品も。
「リーフパイ」の切れ端をふっくらと焼いて商品にした、工場直売店限定の「パイのかけら」。
「リーフパイ」は1枚194円だが、「パイのかけら」は8枚分が入って380円とお得だ。

そして、店頭に並ぶとすぐに品切れになるというのが「ファクトリーシュー」。

「シュークリーム生地の膨らみが足りないなどの品を半分にカット。カスタードクリームと生クリームの2種類をたっぷり詰めた品物。1日20個程度のご案内で早い時には発売から15分で完売する人気だ」(きのとや東苗穂工場直売店・中野恵里香店長)
東苗穂エリアは大型ショッピングセンターや飲食店も多い地域。中には開業から30年を迎えた老舗も。
83歳のシェフ矢田幸蔵さんが腕を振るう洋食店「ユっぴー」。

シェフ自慢の逸品が「ビーフシチュー」だ。

9時間から12時間ほど煮込んでいるお肉。味がしっかりしみ込んで「ほろほろ」なお肉が人気を集めている。

実はこの店、7月上旬、厨房や内装を大幅にリニューアルして再オープンした。
名店の味を受け継ぐのは娘の幸子さん。
「私自身が父の味で育ってきた部分がある。この味がなくなるのが、私自身寂しいと思う部分がある。愛してくださっているお客様も多いので、できる事はできる限り続けて行きたい」(レストラン ユっぴー・笹川幸子さん)
一方、橋の反対側には…

高速道路の利用者向けの店が目立つ、札幌市白石区の菊水元町側。増毛町に本社を置く水産会社の直売所「港町市場」がある。

店に入ると、タコやウニなど増毛産の品を中心に新鮮な魚介がずらりと並んでいる。

なかでも今注目なのが「甘エビ」。増毛沖で穫れたてのエビを生きたまま毎日入荷しているのだ。

この地域の魅力は店舗だけではない。
このエリアには住民のみぞ知る美しい公園があった。

橋の名前の由来となった「豊平川桜の杜公園」。90年代に整備が始まり、ソメイヨシノやエゾヤマザクラ1000本のほか、芝桜も植樹されている。

しかし、住民以外にはあまり知られていないという隠れた名所だ。
新しい橋を通って訪れる橋のたもとの街。あなたの知らない魅力がまだまだ眠っているかもしれない。
(北海道文化放送)