“二刀流”という言葉が世間で飛び交うようにスケボー界にもプレーヤーとしてはもちろん、ウラ側からも支えるスケーターらがいる。
東京オリンピックでの日本勢の活躍もあり、日本でも人気になったスケートボード。
そのスケートボードの顔となるパーツといえば、やっぱりデッキ(足を乗せる板の部分)だ。
今回はそんなデッキにまつわる話しをきっかけに、ストリートリーグの最前線で活躍する“ボス”たちを紹介する。
人気スケーターはどのデッキに?
8月12日に有明アリーナで開催するスケートボード界最高峰の世界ツアー「2023 SLS CHAMPIONSHIP TOUR - TOKYO presented by Nikon」。
ここでしか見られない戦いがまもなく日本にやってくる。
オリンピックメダリストはもちろん、普段大会やオリンピック予選では見ることのできない、ストリートを主戦場とするような人気スケーターたちも見ることができる。
そんなスケーターたちにとって一番重要なスポンサーは、やはりデッキ(スケボーの板の部分)ブランドだろう。

そのデッキに乗るというのは、そのブランドの“顔”になることを意味し、デッキブランドにとっても自身のライダーらが、ブランドのイメージを作っていくことに繋がっていく。
だからこそ世界中のスケーターは、自分のお気に入りのプロスケーターがどのデッキに乗っているのかは常にチェックし、人気スケーターがデッキブランドを移籍するとなると、大騒動になったりする。
それくらいスケーターにとって、デッキというのは大事な要素になっているのだ。
他ではなかなか見られない!ボスバトル
ストリートリーグは、デッキブランドをゼロから作り上げた“ボス”たちの滑りを生で見られる数少ない大会である。
例えば、オリンピック金メダリストの堀米雄斗(24)や、ストリートリーグをわずか11歳で制し、SLS計8回の優勝を誇るブラジルのライッサ・レアウ(15)が所属するデッキブランドであるApril Skateboards(エイプリル)。

このブランドはオーストラリア出身の超人気スケーター、シェーン・オニール(33)が立ち上げたデッキブランドで、シェーンが堀米をエイプリルに獲得するまでのストーリーは1つのドラマが作れるほどだ。
そしてストリートリーグ24回の優勝と、6度の年間王者(スーパークラウン)に輝き、今なおコンテストシーンの最前線にいるアメリカのナイジャ・ヒューストン(28)は2021年にDisorder Skateboards(ディスオーダー)を立ち上げている。

6月にロサンゼルスで行われた、セレクトシリーズ(予選大会)を勝ち抜いて、今大会の出場を決めたドミニク・ウォーカー(30)もディスオーダーのライダーの一人である。

同じく今大会出場予定である、アメリカのトリー・パッドウィル(33)は2018年、スケートボードへの感謝の気持ちを示すデッキカンパニーThank You Skateboards(サンキュー)を立ち上げ、一部商品の売り上げの一部をスケートボード関連に寄付している。

他にも超人気ブランドPrimitive(プリミティブ)を立ち上げたポール・ロドリゲス。
彼はNIKEから10種類のシグネチャーシューズを発売するなど、スケーターの枠を飛び越えた人気を誇るが、このポール・ロドリゲスの滑りが見られるのもストリートリーグならでは。
今大会出場のフィリペ・モタやカルロス・リベイロもプリミティブのライダーであり、先述のシェーン・オニールも、エイプリルを立ち上げる前はプリミティブの看板ライダーだった。
こういったスケートボードの最前線で活躍しつつ、裏側からもスケートボードを支えるプロスケーターが見せる、本気の滑りが見られるのもストリートリーグの醍醐味だ。
現在進行形で歴史を築き上げている、彼らの魂の滑りにも注目してみてほしい。
文:小嶋勝美 スケートボード放送作家
世界最高峰スケボーコンテスト「ストリートリーグ東京大会(2023 SLS CHAMPIONSHIP TOUR - TOKYO presented by Nikon)」
8月12日(土)開催
堀米雄斗、西矢椛、中山楓奈らが世界のトップスターと戦う!
https://www.streetleague.jp/