2度にわたって発生した線状降水帯による大雨から、8月3日で1カ月。
熊本・益城町の被災現場では厳しい暑さの中、復旧作業を続ける被災者の姿があった。

崩れた県道は歩道のみ通行可能に

熊本・益城町を走る県道高森線が崩落した現場では、1カ月がたっても2車線とも崩れたままで、迂回(うかい)する大型車両も見られた。

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7月3日の大雨で熊本・益城町の木山川が氾濫し県道が崩落した現場では、土のうによる応急復旧が進み、歩道のみが通行できるようになっていた。

熊本県では、国からの技術支援を受けながら、具体的な復旧方法の検討を進めている。

本堂倒壊した寺 瓦など崩れ落ちたまま

2016年の熊本地震で半壊し、修復を終えた益城町の浄恩寺は、大雨の影響で崩れた裏山から大量の土砂が境内に流れ込み、本堂が倒壊。大きな瓦屋根は地面に崩れ落ちたままだ。

浄恩寺・玉春勇樹住職:
本堂だけが寺の本質ではなくて、門徒さんとの関係が寺を成り立たせている大きな要素だと感じた1カ月だった

もうすぐお盆 本堂での法要間に合わず

境内では、住職がお盆のお参りに訪れる人を迎えるために、3日も厳しい暑さの中、納骨堂の泥を洗い流していた。

本堂での法要や参拝ができないため、門徒の自宅を訪れる合間を縫って、復旧作業を進めているという。

浄恩寺・玉春勇樹住職:
土砂が膨大な量で、どのくらいの期間と手間がかかるのか、まだ感覚としてつかめていない

現在、解体工事の打ち合わせを行っているが、再建の時期はまだ見えていない。

熊本地震と豪雨、2度の被災で「自然の脅威を恨むことはないのですか?」と住職の玉春さんに尋ねてみると、「『恨む心は出てくるよね』というのも仏の教え。それを否定するのではなく、『恨む心は出てくるよ。でもそこにエネルギーを使っても安らぎには到達できないよね』というのが仏の教え。恨むからダメというわけではない」と話してくれた。

(テレビ熊本)

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