超音波で体内の状態を映像化する技術「エコー」の家庭向けの装置の活用が、今全国の妊婦の間で広がり始めている。妊娠中の不安軽減につながるというこの「エコー」、どんな機器なのか岩手県内の利用者を取材した。

「家庭用エコー」最大のメリットは

盛岡市内の産婦人科医院に勤務する看護師・谷藤美樹さん(31)は、現在妊娠8カ月で、自宅で家庭用のエコーを利用している。

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谷藤美樹さん:
ケースを開けると充電器とエコー本体が入っています

これは、医療支援事業を手掛ける東京の企業「ボーダー」が、2022年から妊婦向けにレンタルしているもので、スマートフォンに接続することでおなかの赤ちゃんの状態を確認できる。

谷藤美樹さん:
赤ちゃんがどこにいるか探しながら、例えば心臓の動きなどが見えてくる。(画面を見ながら)これはあくびをしている。口がガバーッと開いてくるんです

赤ちゃんの状態を自宅で家族とともに確認できることで、コミュニケーションが深まるという。

谷藤美樹さん:
私はお腹の中に赤ちゃんがいるから、毎日動いているのもわかるし実感するけど、主人もそうだし、娘もまだ4歳なので1人赤ちゃんが増えるイメージがつかみにくいと思う。エコーがおなかに赤ちゃんがいることを一緒に喜んでくれる良いきっかけになっている

谷藤さんが自宅で赤ちゃんの状態を確認しながら「心臓が動いていて、顔の横に手があって…」と説明すると、4歳の長女は「こうやってるの?」と興味を示した。

谷藤美樹さん:
携帯に向かって「お姉ちゃんだよ」と手を振ったり話しかけてくれている

そして最大のメリットは不安の軽減だと谷藤さんは語る。

谷藤美樹さん:
本当に初期の時期は妊婦検診も4週間に1回だし、自分もその胎動がない中で元気かどうかも分からないっていう中で、エコーを持っていれば気になる時に見られる。それで動いているのが分かれば安心材料になると使いながら思った

「画像もすごくきれいに見える」

妊婦の不安と家庭用エコーを巡ってはこんなデータがある。

日本女性財団が2023年4月、全国の妊産婦を対象に行ったアンケートで妊娠に関して不安を感じたという人は約7割に上っている。これに対し、家庭用エコーを使うことで不安が減ったという人は「とてもそう思う」「ややそう思う」をあわせて9割以上に達した。

家庭用エコーの効果について産婦人科医は次のように語る。

村井産婦人科小児歯科医院・村井正俊院長:
本当に画像もすごくきれいに見える。滑って転んだとか階段で落ちて心配ですという人もいるけど、そこにエコーがあって赤ちゃんの心臓が動いているとなれば、まず一安心だと思う人もいると思う。少子化の中でこういう機械があって安心だとなれば、子どもほしいという動きも出てきてくれれば、一つのいい機会になるのかなと思う

(岩手めんこいテレビ)

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