熊本県立東稜高校の元生徒の男性が、同級生からいじめを受けて不登校となった問題で、熊本県教育委員会は調査委員会がまとめた「いじめに関する報告書」をウェブサイト上で公表した。

県教委いじめ調査報告書を全文公開せず

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この問題は2015年に熊本県立東稜高校に入学した男性が不登校となったもので、第三者で作る調査委員会は同級生が行った行為7件を「いじめ」と認定する調査報告書を2022年10月にまとめている。

熊本県教育委員会は、この調査報告書について「個人情報保護の観点から全文公開はしない」として、希望者に対して概要版(A4用紙2枚)のみを提供していた。

この県教委の対応に元生徒側は「報告書で指摘された学校や県教委の対応の問題点を具体的に知ることができず、不開示の扱いに等しい」として、再発防止の観点から“熊本県のウェブサイト上で全文を公表すること”などを求め要望書を提出していた。

県教委は8月2日に会見を開き、元生徒側の要望に添った形で報告書全文(A4用紙22枚分)をプライバシーに関わる一部を黒塗りにした上で、ウェブサイトで公表すると発表した。

被害者側とのコミュニケーション不足

県教委は、2022年10月に調査委員会が行った報道機関に対する調査結果の説明が公表に当たると判断したとし、県教育委員会・学校安全安心推進課の木山邦博審議員は「(公表する)中身や内容について十分なコミュニケーション、県教委の事務局も含めて調査委員会と被害者側とでコミュニケーションが不足していたと考えている」と述べた。

この調査報告書は、2日の午後4時に県教委のウェブサイトに掲載。重大事態の調査報告書をウェブサイト上で公開するのは県教委としては初めてということだ。

(テレビ熊本)

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