全国的な強豪として知られる熊本県立大津高校の男子サッカー部で2022年1月、男子部員が全裸で土下座をさせられ、その様子を写真に撮られるなどのいじめを受けていたことが分かった。
熊本県教育委員会は「重大事態」として今後、学校に第三者委員会を設置し調査を行う方針だ。

当時1年を全裸で土下座させ撮影

県教委学校安全・安心推進課 岸良優太課長:
(学校は)全裸で土下座をした事実、その状況を撮影された事実が認められると判断しました

この記事の画像(9枚)

県教委学校安全・安心推進課 岸良優太課長:
また、学校は当該生徒がそれらの行為に心身の苦痛を感じたと考えられるため、いじめと認知しました

熊本県教育委員会によると、熊本県立大津高校3年生のサッカー部の男子部員が1年生だった2022年1月、全国高校サッカー選手権の応援に行った際の宿泊先で、先輩にあだ名をつけたと疑われ、服を脱ぐように言われた上、全裸で土下座をさせられ、その様子を写真に撮られたということだ。

2023年7月に部員が学校の担任に相談。学校は調査を開始したが、県教育委員会への報告は行っていなかった。県教委は9月上旬に保護者からの相談で問題を把握し、学校に対し調査した内容について報告を求めたということだ。

学校は9月29日に今回の行為をいじめと認定し、重大事態とする報告書を県教委に提出した。

県教委が学校に第三者委員会設置を決定

県教委は10月3日の定例会で、この件について学校に専門家による第三者委員会を設置することを決めた。

委員会では今後、今回の行為の詳しい経緯や、他にもいじめがなかったかなどを調べるとしている。

県教委学校安全・安心推進課 岸良優太課長:
(政府のガイドラインで)「全裸にさせた」というのは重大事態にあたる例として掲げられている。その点を鑑みれば、より早期に報告、対応すべきだったと学校側を指導しています

第三者委員会では、こうした学校側の対応についても調査する方針だ。

全国屈指のサッカー強豪校・大津高校

大津高校サッカー部は、2021年度の全国高校サッカー選手権で準優勝。昨年度もベスト4に入るなど、強豪校として知られている。

今回の件について大津高校は、「被害を受けた生徒・家族に大変な苦痛を与えてしまい申し訳なく思っている。第三者委員会と協力しながら解明に向け取り組んでいく」とコメント。

その上で3連覇が懸かる2023年の熊本県大会については、「現在の状況を総合的に考え出場辞退は考えていない」としている。
また、10月3日の午後6時半から、全校生徒の保護者を対象に説明会を開くということだ。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。