育成を目的としたトヨタのレーシングチームの支援を受け、フォーミュラカーレースにシリーズ参戦している山形市の高校生がいる。世界で活躍するレーサーを目指し、チームでの生き残りをかけた戦いに臨んでいる。
高校生とドライバーの”二刀流”
7月17日、宮城県のサーキットで国内のフォーミュラレース「FIA-F4選手権」に参戦しているトヨタのチームが、練習走行を行っていた。

将来性を見込まれ全国から選抜された4人の育成ドライバーが、チームの支援を受けてレースに参戦。その1人が、チーム在籍2年目の山形南高校3年・小林利徠斗さん(18)だ。

TGR-DC RS 育成ドライバー・小林利徠斗さん:
2022年よりも自分の中の走りの幅が広がっているのも感じているので、実力が上がっていると思う

小林さんは2022年、F4選手権初挑戦ながら、優勝や3位表彰台など入賞を重ね、総合ランキングは54人中6位。チームはその実績とさらなる成長を期待して、2023年も小林さんと契約することを決めた。

TGR-DC RS 主任講師・片岡龍也さん:
昨年は1シーズン目ということで、弱さや焦りという失敗はあったが、根本的に持つスピードという才能はあると思っているので、今シーズンはさらに経験を積んでより磨いて結果を出してほしい
開幕戦で優勝・3戦連続表彰台
実況:
スタート、いいように見えましたが、小林利徠斗が前に行きます。1コーナーに向かって…

2023年5月に開幕したF4選手権。カーナンバー36の小林選手は予選1位を獲得。決勝をポールポジションからスタートすると、後続を寄せ付けない安定した走りで独走し、開幕戦を優勝で飾った。

実況:
2023開幕戦、小林利徠斗が制していきました
同じコースで行われた翌日の第2戦は3位表彰台。6月の第3戦・鈴鹿は、シリーズチャンピオンを争うライバル、ホンダのホームコースにも関わらず、観客を沸かせる活躍を見せる。

コースに慣れているホンダに対し、4位を走る小林さんは1コーナーで相手をオーバーテイク。3位に浮上すると…。
実況:
そして2番手、ここで来た小林、イン側にねらっていく。ここで2番手に上がったのは小林利徠斗

再び1コーナーで相手を抜き去り2位にポジションをアップ。3戦連続で表彰台に上がった。

TGR-DC RS 主任講師・片岡龍也さん:
(前の車に)並ぶまでのシチュエーションを自分で作ることがすごく難しいし、2回あるチャンスを2回とも物にするというのは、技術も含めた集中力の部分が大きい

TGR-DC RS 育成ドライバー・小林利徠斗さん:
もし、今年成績が全然振るわなかったら今年でもちろん終わりですし、逆に成績が残せれば確実に上にステップアップできるスポーツなので、だからこそ頑張る価値もあるし、その中で頑張るだけのモチベーションもある
シリーズチャンピオンへ 負けられない戦い続く
全14戦のうち4戦を終え、総合ランキングはトップ。

このまま勝ち続けシリーズチャンピオンとなれば、2024年は国内2番目のフォーミュラレース「フォーミュラ・ライツ」へのステップアップが約束されている。しかし逆に結果が奮わなければ、2024年の契約はない。

TGR-DC RS 主任講師・片岡龍也さん:
今の利徠斗の段階でいうと原石を拾われ、磨いている最中になる。次のカテゴリーに上がれるかどうかというのがプロへの道が見える・見えないのところなので、今のカテゴリーが一番最初の“振るい”になる

TGR-DC RS 育成ドライバー・小林利徠斗さん:
もちろん毎回結果を出さなければいけないということはある。苦しかったり辛いこともあるけど、すべてが楽しいことの上にあるものなので、それを含めて頑張っていくモチベーションに変えている。今のところ総合ランキング最上位にいるので、このまま勝ち続けてシリーズチャンピオンをねらいます
世界で活躍するプロレーサーを目指し、小林さんの負けられない戦いは続く。
(さくらんぼテレビ)