島根・出雲市が「ふるさと納税」の返礼品として、市内で使える電子マネーを受け取る新しいサービスを島根・鳥取両県で初めて導入した。その名も「旅先納税」。旅先で気軽に「ふるさと納税」ができ、「返礼品」による経済効果を飲食業や小売業などにも広げることができる“一石二鳥”の取り組みとして、期待が集まっている。

新サービス「旅先納税」

出雲市で7月18日にサービスが始まった「旅先納税」。「ふるさと納税」の仕組みを使った地域活性化の新しい取り組みだ。

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スタートに合わせ18日、出雲市の飯塚市長や、サービスを提供する東京の「ギフティ」、スペシャルサポーターの日本航空の関係者が会見を開き、サービス開始を発表した。

出雲市・飯塚市長:
しっかりとPRに努めて、少しでも多くの観光客に来ていただくことが大切。

希望する自治体に寄付をすると、お礼の品を受け取ることができる「ふるさと納税」。各地の特産品などをお得に入手できるうえ、地方の活性化にも貢献できると人気を集めている。その仕組みを利用した新サービスが「旅先納税」だ。返礼品として、特産品のかわりに電子マネーを受け取る。電子マネーは寄付額の3割相当で、市内の飲食店や土産物店など約50店で使うことができる。

例えば、1万円を寄付した場合、受け取る電子マネーは3,000円分。「ふるさと納税」と同様に、寄付額から2,000円を除いた8,000円を対象に、税金が控除または還付される。

出雲市にとっては、貴重な財源を得られるのに加え、市内限定の電子マネーが地域経済の支援にもつながる“一石二鳥”のサービスだ。

寄付は、スマートフォンを使って専用サイトで登録したあと、希望額を選んで、クレジットカードで決済。まもなく電子マネーがスマホへ送られ、市内の加盟店で支払いに利用できる。

オトナキチコーヒー・松尾聖香店長:
お店の前の人通りも増えてきたので、利用していただける機会が、増えると思うとうれしい。

2020年にオープンしたものの、コロナ禍で集客に苦戦してきたこの店は、「旅先納税」に参加。観光客を呼び込み、集客アップのきっかけにと期待している。

新型コロナ「5類」移行をきっかけに、急ピッチで回復する観光需要。新サービス「旅先納税」が、観光客の呼び込みにつながり、地域経済の後押しにつながるのか注目される。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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