岐阜県の南東部に位置する、恵那市。
自然豊かなこの場所で、いま問題となっているのは、過疎化を受けての中学校の統合計画です。
3年後の2026年までに、5つの中学校を1つに統合するという計画。
統合されると1つの中学校の校区が、人口232万人の名古屋市にも匹敵するほど広大になり、バス通学が生徒の8割、車で片道1時間かかる生徒も出てくるといいます。
3月に恵那市の教育委員会が開いた説明会でも、住民らから通学手段に関して、疑問の声が噴出しました。
住民:
よろしいですか?生徒はね、学校選べません。はっきりいいますけど、生徒間で通学にこれだけ差をつけてはいけないと思います。
住民:
やっぱり現実的じゃないというのをすごく感じるので。本当に3年後でいいのかというのを考えてもらえる人が、いっぱいいるといいなと思っております。
恵那市教育委員会:
子供たちが、ある程度の人数の規模で学ぶことができる、そういう環境を整えることができるならば、そういう環境を整えたいということが、まず一番でございます。
平行線をたどる双方の主張。
説明会に参加した後藤直樹さんは、「教育委員会の意見も尊重しなくてはいけない」と前置きした上でこう話します。
説明会に参加した 後藤直樹さん:
メインである子供の意見だとか、保護者の意見を聞いた上で、統合が進んでいくっていうのなら納得できるんですけど。「参考にします」とは言ってくれていますけど、参考にして何かが変わったってことは…。保護者説明会や地域説明会で、教育委員会から発信されたことに対して、変更点はないです。
説明会に参加した 後藤直樹さん:
通学に関しては(スクール)バスでってことなんですけど。一番遠い子だと1時間かかるような山道を通って学校に行くのが、果たして安全で健全なのかって。
「めざまし8」は、校区の最も南の串原地区に住む、小学5年生と小学2年生の兄弟の父親を取材。子供たちと一緒に、実際に通学で利用することになる道を車で走ってもらうと…。
小5と小2の兄弟の父親:
冬場は本当にここ、雪が溶けないので。1回降っちゃうと、ずっと凍った道路という感じになっちゃう。
かなりの勾配の、くねくね曲がった山道を35分ほど走ったところで、新校舎となる予定の中学校に到着。
長距離の移動に疲れてしまったのか、小学2年生の息子は寝てしまいました。
小5と小2の兄弟の父親:
僕たちはこれくらい(の所要時間)だと思うんですけど。もうちょっと遠い、愛知県との県境の人は、あとプラス20分くらいかかると思います。
小学5年生:
この車では酔わないけど。バスとかで来ると、たぶん酔うなと思いました。
小5と小2の兄弟の父親:
2時間を通学にとられて。勉強の方も、きっとバスの中で勉強っていうこともできないだろうと。やっぱり近い方が、時間っていうのは有効に使えるのかなと思います。
(めざまし8 7月19日放送)