騒音問題などで一時中断し、2022年春に再開していた旧熊本市民病院の解体工事が7月末に終了する予定だ。今、地元ではその跡地がどう利用されるのかに関心が集まっている。
相談相次いだ旧熊本市民病院の解体工事
熊本市東区にある旧熊本市民病院は、解体工事中に近隣住民から騒音や振動などの訴えが寄せられ、2020年10月に工事を中断。大西熊本市長が、戸別訪問で住民に直接謝罪する事態にまで発展した。

住民は騒音や振動の軽減が期待できる工法を採用することなどで同意し、2022年5月から工事が再開されていた。

そして、現在は建物の基礎の撤去を終え、工事の最終段階で7月末には工事が終了する予定だ。
騒音などの相談は1年間で15人25件
工事再開後の約1年間に寄せられた住民からの相談は騒音や振動、粉じんなどに関するものが15人25件。

また、月に1回、熊本市が行っている健康アンケートでは、9世帯14人が目の違和感やのどの痛みなどの不調を訴えたということだ。心的外傷後ストレス障害・PTSDの疑いはゼロだった。
解体対策室の村上英丈室長は「戸別に訪問したり看護師を要請する方には、市民病院の看護師を派遣するなどして対応してきた」と話し、住民に寄り添った対応を示した。

解体対策室 村上英丈室長:
私どもを信じていただいて工事を再開させていただいたので、裏切ることのないように努めたつもりです
解体対策室は工事終了後、住宅に被害がないか調査を実施することにしている。
「スーパーを入れてほしい」と要望も
そして、住民が関心を寄せているのは、跡地に何ができるかだ。

住民らは跡地利用について独自にアンケートを実施し、「スーパーマーケットを入れてほしい」などとする要望書を2022年に熊本市に提出している。

近隣住民:
食料品を主に、薬や日用雑貨を扱うようなものができればいい。スーパーがあったが、マンションになって不便

近隣住民:
マンションとかだと、この辺は空き家がいっぱいあるのに、また住宅をつくっても意味がないような感じ
近くの住民からは「空き家がいっぱいあるのに、またマンションができても意味がない」など、旧市民病院の跡地の活用についても「住民の意見や考えをまず聞いてもらいたい」と話す。

病院は跡地と、活用が見込まれる管理棟を売却する方針で「住民アンケートの結果は跡地利用に関する計画・立案時に最大限参考にする」と話す一方で、「入札方式や時期は未定」としている。
(テレビ熊本)