7月13日夜、鹿児島市役所に近い名山町の飲食店街で、木造2階建ての飲食店の一部が焼ける火事があった。火は消火器で消し止められたが、現場は木造の建物が密集するエリアで、あわや大惨事という状況に周辺は一時騒然とした。

緊迫の現場に居合わせたカメラクルー

消防隊員:
ここですか?

深夜の飲食店街に駆けつけた消防車
深夜の飲食店街に駆けつけた消防車
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鹿児島テレビ取材クルー:
そこです。初期消火は終わっています

7月13日午後11時50分ごろ、鹿児島市の名山町に消防隊員が次々と駆けつけた。
実はこの時、現場近くにオープンした飲食店で鹿児島テレビの情報番組のロケが行われていて、クルーが直ちに現場に向かった。

鹿児島テレビ・美川愛実アナウンサー:
鹿児島市名山町の飲食店がある通りです。こちらの角にある店から火が出たということで、地元の人が消火器を使って火を消し止めたようです。しばらく煙が出ていたんですが、消防が確認を行っています。ホースが準備されていますが、まだ放水が始まっている様子はありません。まずは火の元がどうなっているかを確認しているようです

昭和の風情残る飲食店街で出火

消防によると13日午後11時40分ごろ、鹿児島市名山町の飲食店で「お店の中で何かが燃えている。店が閉まっていて何が燃えているか分からない」と、近くの店のスタッフから119番通報があった。

火は約15分後に消し止められたが、この木造2階建ての建物の1階部分の一部が焼けた。火元は調理スペースとみられ、出火当時は閉店していて、けが人はなかった。

この一帯は、飲食店など木造の建物が密集する「名山堀」と呼ばれる地域で、昭和の風情を色濃く残す飲食店街としてファンも多いが、いったん火が出てしまうと広範囲への延焼も懸念される場所だ。

2011年10月には、飲食店の入居する木造2階建ての建物が全焼したほか、隣接する木造の建物3棟の一部が焼けている。

このため、現場周辺は「消防警備強化地域」に指定されていて、火災が起きると通常より多くの消防車が出動することになっている。この日も消防車14台が出動し、一時騒然とした。

過去の教訓が生きた初期消火

こうした背景もあり、名山町の飲食店では数年前、お金を出し合って消火器を購入。もしもの時に備え、毎年点検していた。

その消火器が今回の初期消火につながった。
火が出た店と背中合わせで隣接する飲食店の店主は、次のように語った。

近くの飲食店主:
中からパチパチと音がして、上に煙もうっすら見えて119番通報しました。話しているうちに赤い炎の色が見えてきました。別の男性も来てくれて、鍵を触ったらドアがうまいこと開いて、消火器で取りあえず火を消してくれた感じです。消防訓練したり、消火器のチェックをしたりしているんですけど、(実際の消火活動は)初めてです

この店主は、「どこかに火がついたら、うちも一緒に燃えていたと思うので良かったです」と語った。過去の教訓を踏まえた備えが、被害を最小限に食い止めた今回の火事。消防が引き続き、火事の原因を調べている。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
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