もうすぐ夏休みシーズン到来。3連休を前にした観光地は、多くの人でにぎわっていました。

この記事の画像(24枚)

しかし、そんな盛り上がりとは裏腹に、各地で「人手不足」が深刻化しているといいます。一体、観光地に何が起こっているのでしょうか?

タクシーに長蛇の列 車はあるのに運転手がいない

日本の伝統文化を楽しめるとあって、世界中から外国人観光客が押し寄せる、人気の観光地・京都。

「めざまし8」の取材班が目撃したのは、バス乗り場に並ぶ長蛇の列でした。

あまりの乗客の多さに、バスが来ても制限がかかり乗り込めない人の姿もみられます。

さらに、タクシー乗り場ではバス乗り場を上回る60人以上の列が…。

今、京都では、観光客の増加と反比例してタクシー運転手の「人手不足」という深刻な問題が起きているのです。

タクシー運転手によると、新型コロナが5類移行後、観光客や修学旅行生が大勢つめかけ、タクシーが足りない状態が続いているといいます。30分や1時間待ちもあったといいます。

京都市内のタクシー会社に、事情を聞いてみると…。

京都市内のタクシー会社 担当者:
1日あたり3500~4000件ぐらいご用命があるんですが、よくいけて85%ぐらいなんですよ。私どもも毎月5~8名くらい採用できているのですが、逆に高齢(の運転手)もあって、辞めていく方もおられるということで。2~3名が限度かなというところですね。

伸びる需要に対して、足りない「運転手」。

京都市内のタクシー会社 担当者:
(ドライバーは)25%は減っていますね。(不安は)もうありまくりですね、車が余っている状態なので。

車はあるのに、運転手がいないというジレンマ。タクシー会社によると、人手不足の解消に取り組んではいるものの、思うようには、進んでいないといいます。

「人手不足」問題は他の観光地でも…

人手不足は、他の観光地でも起きていました。海水浴のシーズンを迎えた沖縄。

ビーチには、海水浴を満喫する大勢の人の姿が。

那覇空港近くのレンタカー店にも、開店前にもかかわらず、すでに待っている観光客の姿が見られます。

開店前から待つ観光客
開店前から待つ観光客

店舗での業務に加えて、予約客の空港への送り迎えなども行っているこの店も、深刻な人手不足に悩んでいます。

ダイドーリース 城間亮太課長:
人手が足りないっていうところで、電話が取れなかったり。受付の人数間に合ってなくて、お客様を待たせたりっていうところがあります。

現状、スタッフに1人でも欠員が出ると仕事に影響が出てしまうため、人員を増やそうと、時給を上げて募集をかけ3人ほど採用したものの、まだ足りないといいます。

那覇市の人気スポット、国際通りにある沖縄発祥のステーキチェーン店「やっぱりステーキ」も人手不足に頭を悩ませていました。

この店舗では、1日約150組の来店があり、ほとんどが観光客だといいます。以前は16人ほどいたスタッフですが、今は半分の8人で対応。

人が集まらないことから、普段は店舗にいないスタッフが本社から応援に来ていました。

やっぱりステーキ4th 国際通り店 店長:
月末になるとシフトを組むのに、ヒーヒー言ってますね。今現在なかなか集まらない状態でして、四苦八苦しています。

なぜここまで人手不足?観光客側ができること

「めざまし8」が独自に行った調査では、那覇市の国際通りにある30軒舗中、14軒から「人手不足で困っている」という声がありました。

中には、時給を900円から1300円までアップしたり、求人コンサルタントと契約をしてアドバイスをしてもらっている店もあるといいます。

なぜここまでしても、人が集まらないのか?観光地の調査・マーケティングを専門としている森戸香奈子氏はその理由についてこう話します。

森戸香奈子氏
森戸香奈子氏

森戸香奈子氏:
日本はそもそも生産年齢人口が減少していて、地方を中心に人材不足が続いているんですね。特に観光はコロナの影響でやむを得ず人材をカットした、そこに急激に需要が回復したことで、採用が追いついていないことと、沖縄県に関しては、島ですので、他県からの人材の融通がしづらいというのも、もしかしたらあるかもしれません。

観光地での人手不足により、今後、空港や駅が混雑、ホテルの部屋が取りづらくなるなど、様々な影響が出てくるとみられます。

観光客側も、可能なものは事前予約する、オフピーク行動を心掛けるなど、様々な対応を検討していく必要があります。

森戸香奈子氏:
混雑するのは街の中心部ですので、電車やモノレールがある場合はそちらをうまく使って、混雑エリアをなんとか抜け出すことが大事かなと思います。
旅行者の皆さんも、事前に現地の情報をよく調べてネットなどで予約できるものはして、安心感を持って旅行していただくということや、時間に余裕を持って行動したり、ピークの時間帯を避けて行動する。こういうことで、快適に過ごせる工夫はできるのではないかと思います。

(めざまし8 7月14日放送)