7月4日で豪雨災害から3年がたち、熊本・人吉市の老舗旅館が復活した。また、球磨村では被災者の生活再建のための災害公営住宅が完成し、人吉球磨を走る鉄道・くま川鉄道では復旧に向けて地元自治体のトップによる話し合いが行われた。

鍋屋が完全再開 最上階には大浴場も

「人吉温泉 鍋屋」では竣工(しゅんこう)式が7月2日に行われ、関係者に披露された。竣工式には、女将の富田峰子さんや工事関係者など約50人が出席し玉串をささげた。そして記念パーティーで完成を祝ったあと、招待客らが館内を見学した。

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新しい鍋屋は鉄筋7階建てで、客室は37室。自慢の温泉は球磨川を望む最上階に大浴場があり、客室にも露天風呂が設けられている。

鍋屋・富田峰子女将:
3年間の間に多くの人にお世話になり、胸がいっぱいです。(今後は)お客さまに喜んでいただける宿を目指したい

豪雨災害から3年がたち、「人吉温泉 鍋屋」が新たな1歩を踏み出した。

球磨村では災害公営住宅の鍵渡し

また、3年前の豪雨で甚大な被害に遭った球磨村一勝地に、村で初めての災害公営住宅が完成し、7月7日に鍵渡し式が行われた。

松谷浩一村長から鍵のレプリカが手渡される
松谷浩一村長から鍵のレプリカが手渡される

式では球磨村の松谷浩一村長が「新しい場所での生活に不便なところもあるかと思うが、村も連携していきたい」とあいさつし、代表者に鍵のレプリカを手渡した。

一勝地にできた災害公営住宅は集合住宅型で全8戸、1階が鉄筋コンクリート造りで2階と3階が木造の住居スペースとなっている。

また部屋は2DKと3DKで、高齢者も使いやすいようにエレベーターも完備している。

入居者:
仮設です。錦町にある。広いですね。単身だから(特に)

球磨村では渡地区に全60戸の災害公営住宅も建設中で、2023年9月には入居が開始される予定だ。

くま川鉄道 上下分離は南阿蘇鉄道と同様に

一方、一部区間で運休が続いているくま川鉄道について、熊本県と人吉球磨10市町村による再生協議会が7月7日に開かれた。

冒頭、会長を務める田嶋副知事が「2025年度中の全線再開を目指し、全力で復旧が進められているが、上下分離後の法人の形態について話し合いたい」とあいさつした。

このあと会議は非公開で行われ、線路などのインフラの管理について非営利型の一般社団法人とすることが決まったという。

復旧費については上下分離方式を導入し、国の鉄道軌道整備法を適用することで、約50億円の復旧費の97.5%を実質、国が負担する見通し。

熊本地震で被災し、7月15日に全線再開する南阿蘇鉄道でも同様の形態をとっている。

(テレビ熊本)

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