7月8日に開幕する、夏の高校野球・熊本大会。高校の再編統合後、初めて夏の大会に単独出場する熊本県立岱志高校を紹介する。
高校再編 部員足りず休部も…
荒尾市にある熊本県立岱志高校は2015年、荒尾高校と南関高校が統合し、開校した。

しかし年々、生徒数は減少。野球部は2022年まで部員が足りなかったため、他校と連合チームを組み大会に出場していたが、2022年の夏を最後に休部となっていた。

すると、その年の秋、OBらは“岱志高校野球部を応援する会”を発足させ、「もう一度、学校を元気にしたい」との思いから、「2023年度、野球部に新たな監督を迎え、再始動させる」と発表した。

監督として白羽の矢が立ったのが後藤将和さんだ。後藤さんは、福岡の西日本短大付属高校時代に甲子園出場(1986年夏)経験があり、その後、プロ野球のダイエーホークスでプレー。
長年、福岡の中学硬式野球の強豪「球道ベースボールクラブ」で指導してきた。
監督は元プロ野球選手 親元離れ共同生活

この春、野球部には1年生13人、2年生1人のあわせて14人が入部。多くが監督の教え子や勧誘して集まった選手だ。

球道ベースボールクラブ出身1年・内田結斗選手(福岡出身):
中学のころに全国大会に行けなかったので、もう一度、監督と野球をして、次は甲子園に行こうと思って、ここに来た

球道ベースボールクラブ出身1年・林未玖都選手(佐賀出身):
元プロということもあり、1つひとつ教えることが丁寧でわかりやすくて、皆もついていきたいと思うと思う

球道ベースボールクラブ出身1年・徳永壌選手(福岡出身):
3年後には名が知れ渡るようなチームにしたい
現在、チームのほとんどの13人が親元を離れ、学校近くで共同生活を送っている。
地元一丸となって甲子園目指す

そんな彼らの胃袋を支えるのが地元の住民だ。この日は、地元で飲食店を営む大川千恵さんが中心となり、夕食を準備していた。
夕食は日替わりで地元の飲食店などが用意し、協力店は15店舗にものぼる。

大川千恵さん:
最初見たときよりも体格がよくなっているので、ちょっと安心した。食事でしか応援ができないので、今は。また何かできることがあれば協力したい
食事もトレーニングのひとつ、ご飯は1人2合と決まっている。

選手:
おいしい

選手:
感謝しています
地元住民の支援はこれだけではなく、食事代や光熱費の補助、それに用具の提供など保護者の負担軽減にも貢献している。
初の単独出場 “岱志”の名を背負い挑む

岱志高校野球部・後藤将和監督:
支援に応えるべく結果を残すのもプレッシャーがかかるけれど、やはり結果が全てではないので、ちゃんとした大人になるための教育をしていかないといけないと思う。それが地域社会への恩返し

岱志高校野球部2年・水落幸太主将:
入部した時からみんなで決めていた“甲子園出場”を目標に、一戦一戦戦い、絶対みんなで甲子園に行こうと思う
“岱志”に校名を替え、初めて単独で出場する「夏」がいよいよやってくる。
(テレビ熊本)