静岡市のバイパス工事現場で橋げたが落下し、作業員2人が死亡、6人が重軽傷を負った。

「“どしん”と…地震かと思って起きた」

7月6日午前3時過ぎ、静岡市清水区尾羽の国道1号線、静清バイパスの工事現場で、「鉄骨が落ちたような大きな音が聞こえた」と、通りかかった人から警察に通報があった。

この記事の画像(12枚)

警察などによると、高架道路の一部となる長さ約65メートル、重さ約140トンの橋げたが、高さ9メートルのところから落下したという。

現場を上空から見ると、建設中の道路の一部、約50メートルが丸ごと下の道路に転落していることが確認できた。近所の人は、「寝ていたら“どしん”となったから、地震かと思って起きた」と話す。

警察や消防などによると、この事故に8人が巻き込まれ、 現場で作業していた室田久生さん(53)と前田要さん(51)の2人の死亡が確認された。

室田さんは、協力会社の社員として現場で作業しており、事故を受け会社は「なんでこんなことになってしまったのか、実感がわかない。いまだに信じられない」とコメントしている。

また、この事故でこのほかに、作業員や交通誘導員あわせて6人が重軽傷を負った。

当時、現場には作業員約20人と交通誘導員約10人がいた。

事故が起きたのは、東名の清水ジャンクションから南に約300メートルの場所で、バイパスの立体化工事が行われていた。

工事を発注した静岡国道事務所によると、クレーンで橋げたを橋脚にのせた後に、油圧ジャッキで横にスライドさせる「横取り」という作業中に事故が起きたという。

現場では、複数の警察官が、上にのぼって落ちた橋げたが接続されていたとみられる部分を調べていた。

警察は、静岡市内にある橋脚工事の共同事業体の現場事務所に事情聴取に訪れた。今後、業務上過失致死傷の疑いで、事故の経緯など本格的に調べる方針だ。

(「イット!」7月6日放送より)