永岡文科相は、滋賀県の「彦根城」と奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産への推薦を目指し、調整に入ったことを明らかにした。
永岡文科相は4日の会見で、世界文化遺産の今後の推薦候補について、文化審議会で意見がとりまとめられたことを明らかにし、滋賀県の「彦根城」を9月15日締め切りの「事前評価制度」に申請する方針を明らかにした。
世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスの評価が得られれば、早くて2025年度にも、世界文化遺産に推薦する可能性がある。
「事前評価」制度は、2023年から始まる制度で、評価次第では提案の見直しや推薦の可否を検討することになる。
さらに、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」についても、早くて来年度の推薦を目指すという。しかし、世界文化遺産に推薦するために必要となっている文化財指定がされていない資産もあることから、指定に向けた取り組みを進めるとしている。
「彦根城」は、1992年に世界文化遺産の候補地として暫定リストに記載されてから30年以上がたっていて、世界文化遺産に登録されれば、滋賀県にとっては長年の悲願達成となる。
また文部科学省は、世界文化遺産候補の推薦を2023年度は行わないとしたうえで、暫定リストの案件が少なくなっていることから、新たな候補を探していくとしている。