富山県南砺市の世界遺産・合掌造りの菅沼集落で、この夏、宿泊体験会が開かれることになった。宿泊料金は無料だが、宿泊できるのは1組2人のみ。どんな体験になるのか。菅沼集落で発表会見が開かれた。
地域経済の活性化につなげる 合掌造りに宿泊体験
菅沼集落・中島慎一さん:
ゲストの方には、家族や近所の人と一緒に体験して五箇山・菅沼を満喫してほしい

この宿泊体験は、世界で民泊事業などを手がける会社「Airbnb」が、海外からの観光客が戻りつつある中、日本の原風景の魅力を発信し、地域経済の活性化につなげようと南砺市などと協力して実現したものだ。

7月17日から集落内にある中島慎一さんの合掌造りの家屋で、2泊3日の宿泊体験をして伝統文化を楽しむというもの。

具体的には、五箇山の伝統的な和紙作りや茅葺き屋根の葺き替えなどを体験できるということで、「集落の一員」として菅沼集落の魅力を堪能できるという。

菅沼集落・中島慎一さん:
合掌造りの醍醐味を味わい、「生活して世界遺産を守っている」ことを伝えたい

宿泊費は無料だが、受け入れるのは1組2人だけ。

今回は試験的な実施だが、これをきっかけに集落への関心が高まり、海外からの観光客の誘致につながればと期待が寄せられている。

Airbnb Japan・田邉泰之代表:
実際の生活をかいま見て、日本の文化を体験できるという「究極のもの」を探しているなか、菅沼の合掌造り集落にたどり着いた。日本の古い文化や伝統を味わうことができるきっかけになれば
30年以上宿泊者受け入れなし

岐阜県白川郷、相倉とともに1995年に合掌造りの世界遺産に登録された菅沼集落。
しかし高齢化などの影響を受けて、集落では30年以上宿泊者の受け入れが行われていなかった。

現在は6世帯、約30人が暮らす菅沼集落。
今後、宿泊キャンペーンの反響や宿泊客の声などを参考に、地域の魅力発信や活性化につながる取り組みを検討していきたいとしている。
この体験型宿泊キャンペーンの予約は日本時間6月30日午前9時からで、参加者は「先着順」で決まるという。
(富山テレビ)