熱戦が繰り広げられた熊本県高校総体で「なぎなた」に打ち込む女子高生を取材した。学校には部活がなく、練習相手は母と姉の2人だけ。なぎなた少女が家族と共に戦った最後の総体だ。
「なぎなた」一筋の頑張り屋さん
熊本県立東稜高校3年の山川真和さんは、小学生の頃からなぎなた一筋だ。これまで県内外の大会で数々の成績を残し、2022年の全国選抜大会では、個人でベスト16まで上り詰めた。

同級生:
運動も勉強もできてオールマイティーで、すごいと思う

2年からの担任・本田優美先生:
頑張り屋さんで勉強も行事も全力で頑張る。いろんな場面で頼りになりますよね?

同級生:
はーい!
学校の後は武道館に…母と姉が稽古相手
授業が終わると、山川さんは熊本武道館へ向かう。学校になぎなた部がないため、元国体選手である母の由紀さんと3つ年上の姉・佐和さんが稽古をつける。

母・由紀さん:
3年間、いろいろな大会を経験して、経験を基に自分がこういうふうになりたいという気持ちはあまり表には出さない。気持ちは持っていると思う。それを大会で出してくれればと思う

東稜高校3年・山川真和さん:
今までここで練習してきた成果を出して、優勝で終われたらいいなと思います

なぎなたは演技、個人戦、団体戦の3種目。山川さんが出場する個人戦は、4組に分かれて予選リーグが行われ、トップ通過の4人が決勝リーグを争い、上位2人がインターハイ出場の権利を獲得できる。

この日は、一緒に頑張ってきた母・由紀さんと姉・佐和さんは、大会運営スタッフのため観客席には不在。父・勝也さんが娘の雄姿を一目見ようと応援に駆けつけた。

父・勝也さん:
ここまで練習してきた成果が出せれば、あとは悔いの残らないように

山川さんは他の組より1人多い、5人による予選リーグを全勝で決勝リーグに駒を進めた。

東稜高校3年・山川真和さん:
頑張ります
最後の総体は大混戦
4人による決勝リーグは大混戦。山川さんを含め3人が2勝1敗で、奪った本数でも並び、三つどもえの順位決定戦にもつれ込んだ。

順位決定戦初戦では、山川さんは一瞬の隙をつかれ、初戦を落としてしまった。最終戦は互いに1敗同士、勝った方がインターハイ出場が決まる。張り詰めた空気の中、両者の声だけが体育館に響き渡る。

しかし判定は、山川 0 - 3 北島(熊本西)で、インターハイ出場にはあと一歩届かなかった。

東稜高校3年・山川真和さん:
悔しいです。家族で1つのことを頑張れることなんてめったにない。とても貴重な3年間だった。1つのことをここまで長く続けることができるのは「楽しいから」だし、家族でできるので、これからもなぎなたを続けたい
(テレビ熊本)