無資格で脱毛を行い、女性客にやけどをさせた疑いで美容サロンの代表の女ら2人が書類送検された。なぜ脱毛でやけどをすることになったのか、被害に遭った女性客が当時の状況を語った。

脱毛で「背中が真っ赤」 被害女性が語る

6月21日、大阪市西区の美容サロンを経営する女らが、業務上過失致傷と医師法違反の疑いで書類送検された。

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被害を訴えた女性は…

被害に遭ったAさん(20代):
脱毛効果があるなら耐えるしかないのかなって思いましたけど。(やけどの)跡が残ってみて、異常だったんだなって感じます

被害を受けた当時の写真には、背中全体に真っ赤な痕が残っている。

美容サロン「BeSonder (ベゾンダァ)」の経営者の女らは去年8月、医師免許を持たずにAさんに対し脱毛機器を使用して医療行為を行い、やけどを負わせた疑いがもたれている。

被害に遭ったAさん:
帰っている最中もずっと熱くて、熱いのか痛いのか分からなくて、すぐ家に帰って氷枕を背中に乗せて寝ていたんですけど、おさまらなくて。夜に彼氏に見てもらいに行ったら、(背中が)赤すぎるから連絡した方がいいと

リーズナブルな広告で若年層も利用拡大

薄着になるこの季節、需要が高まる「脱毛」。

毛髪のケアや美容サービスを行う会社の調査によると今、女性の2人に1人、男性もおよそ15%が脱毛の経験があるという。

一方で、こんな話も…

街の人:
「片ワキ無料」みたいなのでやってもらって、「契約しますか?その日に」と。今すぐ契約してほしい感を感じましたね。怖いなぁみたいな、雰囲気が

利用者の増加に伴い、トラブルも目立つ。
大阪府消費生活センターによると、相談件数は年々増加し、5年前と比較するとおよそ7倍に。

大阪府消費生活センター・黒田美佳さん:
数千円で何カ所も脱毛できるというようなリーズナブルな広告で消費者の脱毛に対する敷居が低くなっていることで、若い方のエステの契約が増えてきていると思います

実際には数十万する高額な施術も、お試し価格を前面に出し、安さをアピールするサロンも少なくない。

そんな「安さ」から思いもよらない被害をうけてしまったのが、今回のAさんだ。

被害に遭ったAさん:
夏に背中を出したいなという気持で(中略)安い所を選びました。1回だけなので2000円でした

去年8月にAさんが脱毛の施術を受けた日に撮影した写真には、機械で光を当てたやけどの跡が、背中にくっきりと残っている。

被害に遭ったAさん:
最初はこのくらいなるのかなと思いましたけど、この日より次の日の方がひどくて。あまり見えていないですけど、この辺は(皮が)めくれてるんですよね。こんなこと人生で起こると思ってなかった

当時、施術は1分程で終え、違和感はなかったという。

Q:原因は?
被害に遭ったAさん:
全く分からないですね。しきりに「家帰ったら保湿してくださいね」という声かけがあった感じですね

Aさんは病院で1度および2度の熱傷と診断され、その後、警察に被害届を提出した。

医療脱毛は医師の指示の下で看護師が施術

今回書類送検された店とは別の、大阪市北区にある「ブランクリニック」。

こちらでは、照射出力の強い機械を使う「医療脱毛」を行っていて、施術はすべて医師の指示を受けた看護師が行う。

ブランクリニック・加藤茂俊医師:
医療行為ですので、ある程度の訓練が必要な施術にはなります。やけどなどのトラブルが起こらないように十分に訓練を積んだナースが行うようにしています

今回書類送検されたサロンでは、出力が弱い、いわゆる美容脱毛用の機器を使用していたが、経営者の女の供述によると、当時装着するべきだった照射する光を減らすフィルターをつけ忘れたということだ。

警察は結果的に「医療行為」に匹敵する照射をしたとして、医師法違反の疑いで書類送検した。

調べに対し、施術をしたアルバイト店員は「私が施術前に確認を怠らなければ、防げた事故になります」と過失を認めた。

事件から10カ月たった今も、Aさんの背中には痕が残ったままだ。

被害に遭ったAさん:
周りに見られたくないっていう気持ちが強いので一緒に着替える時は背中を後ろに向け着替えます。結婚式したらウエディングドレス着たいじゃないですか。その時に背中を見せるのを躊躇すること自体おかしいし、この気持ちどうしてくれんねやろって。今回自分が行ったサロンは安さを売りにしていた。実際私もそれに飛びついたのもあるけど、そこじゃないなって。どれだけ安全か、本質を見た方がいいのかなって思います

(2023年6月21日 関西テレビ「newsランナー」放送)

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