世界で活躍している人材を育てた教育方法「モンテッソーリ教育」。秋田県内で初めてこの教育法を取り入れた保育園が大仙市に開園した。子どもの「主体性」を育むとされる教育の魅力に迫った。

保育園開園は夫からの一言で

大仙市神宮寺の「神宮寺モンテッソーリスクール」。代表を務めるのは、東京出身の青柳有理さんだ。

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青柳さんは、結婚を機に2017年に大仙市に移住した。理由は夫の「花火好き」。花火のまち・大仙市に魅力を感じたからだ。

青柳さんが「モンテッソーリ教育」に出会ったのは、娘を妊娠していたとき。史上最年少のプロ入りから数々の記録を樹立している将棋の藤井聡太さんや、世界的企業の創設者たちがこの教育を受けたとされていて、全国に教育機関が設けられているが、これまで秋田県内にはなかった。

神宮寺モンテッソーリスクール・青柳有理代表
神宮寺モンテッソーリスクール・青柳有理代表

神宮寺モンテッソーリスクール・青柳有理代表:
自分の子どもにどうしてもモンテッソーリ教育を受けさせたかったのですが、夫からの一言で「無いなら自分でつくってみればいいんじゃない」と言われて、自分で開くことを決意しました

モンテッソーリ教育を取り入れた保育園をつくるため、青柳さんは、起業などを支援する県の若者チャレンジ応援事業に応募し、見事採用された。その後は県の補助金を使って都内の学校に1年通い、民間の資格を取得したほか、カナダの保育施設を見学しヒントを得た。

そして5月1日、念願の保育園開園にこぎつけた。

「モンテッソーリ教育」とは?

施設の様子を確認するため、6月9日には秋田県の神部秀行副知事が保育園を訪問した。

神部秀行副知事:
自主性をものすごく尊重したやり方で、それでどんどん育っていくという話を聞き、感銘しました。お恥ずかしいのですが、知りませんでした

「モンテッソーリ教育」とは、どんな教育法なのか。

神宮寺モンテッソーリスクール・青柳有理代表:
やっていることが重要なんじゃなくて、いまこの子にはすごい集中が生まれているんです。集中が生まれてからは、大人はほとんどやることがない

「モンテッソーリ教育」はイタリアで生まれた教育法で「教える」のではなく「導く」ことで子どもの主体性を育む。

佐藤愛純アナウンサー:
洗濯や料理など日常生活に関するものや、様々な色・形のものが並んでいる。子どもが自分の年齢や好みに応じて好きな活動を選べるように、たくさんの教材がそろえられている

園には100を超える教材が用意されていて、園児の関心や季節によって入れ替えられる。園児はそれぞれの興味に応じて、思い思いに活動していた。

園児の保護者:
興味があって、ぜひ学ばせたかったんですけど、近くにできて本当に良かったです。ひとつのものに集中して取り組む姿を見たことがなかったので、すごいなと思っています

神宮寺モンテッソーリスクール・青柳有理代表:
AI時代に必要な能力が身に付く、自分で物事を決めていく力が身に付く教育です。他県の人、海外からのお子さんに保育留学してもらって、秋田の子どもと海外の子どもが国際交流するような学びの場にしたいと思っています

「モンテッソーリ教育」の施設の誕生は、子どもたちの、そして秋田の未来を広げる一つの可能性となるかもしれない。

(秋田テレビ)

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