信号機の色は世界共通だという事実をご存じだろうか。周知の通り、赤は「止まれ」青は「進んでよい」という意味だ。しかし改めて考えてみると、なぜこの色になったのか、その理由はよく分からない。小学2年生から寄せられた疑問を元に信号機の謎について調査した。

小学生が登下校中に抱いた疑問「信号機はなんでこの色?」

石川県金沢市に住む一條隼大君(7)から、信号にまつわる疑問が石川テレビに寄せられた。

一條隼大君:
信号機の赤はなんで止まって、青はなんで進めるんですか?

一條隼大君
一條隼大君
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隼大君はなぜ信号機の色について疑問を持ったのだろうか。

隼大君:
小学校の帰り道にいつも気になっていたから。

疑問を解消しようと向かったのは石川県警察本部。交通企画課の窪美希警部に案内されたのは…。

窪美希警部
窪美希警部

石川県警交通企画課 窪美希警部:
こちらは交通管制センターです。モニターを見れば石川県内の道路状況が一目で分かる場所になっています。

青、黄、赤の順番は事故防止のため

交通管制センターには隼大君の疑問を生んだアレがあった。

窪警部:
こちらは本物の信号機で、横幅が125センチあります。

道路ではそれほど大きく見えないが、実際は隼大君と同じ小学2年生の男子の平均身長と同じくらいの大きさがある。

ここで窪さんからクイズが出題された。

窪警部:
信号機の色が、向かって左から青色、黄色、赤色の順になっているのはなぜでしょう?

隼大君:
…わかんない。

なぜ信号機は右側に赤色があるのか…。

窪警部:
一番大事な赤色を車の運転手さんから特に見えやすくするためです。

「止まれ」を意味する赤色が道路の真ん中に近い信号機の一番右側にあれば、木に隠れることもなく運転席から見えやすい。事故の多くは車が動いているときに起きるので、ドライバーが赤信号に気付いて早めに止まることができれば、その分事故が減ると考えられているそうだ。

信号機の青、黄、赤は全世界共通

ではどうして信号の色は青、黄、赤なのか。

窪さん:
青色、黄色、赤色、これは全世界共通の色とルールになっています。

実は世界共通で信号はこの3色なのだ。信号機が誕生したのは1868年のイギリスはロンドン。この頃から信号機の色は赤と青だったそうだ。

窪警部:
石川県内で初めて設置された信号機はこちらの香林坊交差点の信号機だと聞いています。当時から青、赤、黄の3色だったそうです。

石川県内に信号機が初めて設置されたのは1949年。ちなみに日本では青信号と言うが、海外では緑色の“green”。日本でも当初は「緑信号」と呼んでいたが、青葉や青虫のように日本では緑のものを青と呼んでいたため「青信号」になったそうだ。

肝心なのは、この3色になった理由だが…。

窪警部:
調べたんですが…分からないということです。

ドライバーに伝わる色のメッセージ

世界共通で信号機がこの色になったのはなぜか。きっと意味があるはず。金沢学院大学でビジュアルデザインを研究する広根礼子教授に聞いてみた。

広根教授:
どういう理由でこの3色を設定したかというのは私は分からないです。ただ言語を超えたメッセージというものが伝わりやすいのではないかな。

広根礼子教授
広根礼子教授

広根教授は色が持つ効果について言及する。

広根教授:
赤は進出色と言われていて迫ってくるような効果がある。「来ちゃだめだよ」「止まれ」という禁止のメッセージを発しています。

飛び出たように見える赤色と、反対に吸い込まれるようなイメージを与える青や緑。信号のルールが誰が見ても色の特徴で分かるようにしたのではないか、というのが広根教授の推察だ。そして黄色については赤と緑の中間色だから選ばれたのではないかと。

ちなみに隼大君はこんな信号が理想だそう。

隼大君:
虹色と紫と青。

好きな色だから、と隼大君。そんな信号があっても面白いかもしれない。

広根教授:
私たちの生活のいたるところで色のメッセージは使われています。興味を持って色を観察してもらうと楽しいかなと思います。

最後に窪警部からのメッセージ。

窪警部:
信号機はとても便利なものですが、青色になっても必ず自分の目で右と左を確認して車が来ていないか、車が止まったか確かめてから渡ってください。

(石川テレビ)

石川テレビ
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