「無理しない、ケガしない、明日も仕事」でお馴染みのご当地アマチュアプロレス団体、新根室プロレスが苦難を乗り越え、地元の北海道根室市で4年ぶりの復活を果たし、再び市民に感動を与えた。

「新根室プロレス」苦難乗り越え復活!

「9.9新根室プロレス三吉大会。令和元年に新根室プロレス解散。今年復活再始動!4年ぶりに、この三吉に帰ってまいりましたぁー!」

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「プロレスを忘れられなかったオヤジたち!N2Wが再び動き出す。三吉でプロレスができる、その感謝を胸に今日は全力で戦っていきます」

2006年、サンキチさんの愛称で親しまれる根室の三吉(みよし)神社例大祭で産声をあげたアマチュアプロレス団体、新根室プロレス。

「無理しない!ケガしない!明日も仕事!!」

社会人だけに、団体のモットーは「無理しない!ケガしない!明日も仕事!!」

2017年にデビューした巨大パンダレスラーのアンドレザ・ジャイアントパンダのブレイクで一躍全国区に。

新根室にとって旗揚げの地、サンキチさんでの大会は特別なものであった。

「4年ぶりですねー 楽しみですねー」(新根室プロレス グリーンジャンボ鶴田)

「ここに来ると重さというか」(新根室プロレス スマイリーヒロ)

「来たお客さん全員に楽しんで帰ってもらえるようにね。帰り道面白かったねと言ってもらえるようにやりますよ」(新根室プロレス ドンレオ嬢サン)

サンキチへの思いには訳がある。

2018年は、北海道胆振東部地震から二日後だった。

「北海道は、地震、台風…試合前日までブラックアウトになってまして直前に電気が通りまして」(サムソン宮本の弟 オッサンタイガー)

この大会は根室市民に勇気と希望を与えた。

そして2019年は…

「二年前、私、腸に悪性の腫瘍ができまして…新根室プロレス解散いたします」(新根室プロレス サムソン宮本代表)

サムソン宮本代表が病気を公表しこの年解散。

以後サンキチさんに新根室プロレスは不在だった。

2020年にサムソン宮本代表はこの世を去ったが、2022年の追悼大会にビデオメッセージを残していた。

「TOMOYA、新根室プロレスお前に任したぞー!」(サムソン宮本代表)

サムソンさんは最年少25歳のTOMOYAに新根室を託した。

新根室プロレスの復活

2023年6月に活動を再開した新根室プロレス。

4年ぶりの地元サンキチさんでのメインは、サムソン宮本の弟オッサンタイガー対TOMOYAの師弟対決。

しかし…

「ちょっと練習中に足のほう負傷してしまいまして、アキレス腱断裂です。ちょっと無理しちゃいましたね…。無理してケガして仕事も休んでおります」(サムソン宮本の弟 オッサンタイガー)

「(Q:予定していた3試合だったが?)2試合ですね。それしかできないので、とりあえず今できるものを」(オッサンタイガー)

大雨の中 4年ぶりの大会が開幕

予定通りいかないのが“新根室”。

メンバーは「いつものサムソンのいたずら」と笑う。

そんな大雨の中、始まった4年ぶりのサンキチ大会。

第一試合。

キラー飯(キラーハーン)のあんかけ攻撃で、会場は“やけどするほど熱く”なる。

第2試合、待ちに待ったアンドレザ・ジャイアントパンダの登場!

「よかったよかった。根室復活興行だもの。ねぇ」(根室市民)

試合後、

「今回のほら、三吉大会ってのはよう、4年ぶりってだけじゃないんだよ。お前がリーダーになって初めての三吉大会だ。それなのに、お前が試合をしないで大会終わっていいと思ってるの?」(新根室プロレス ドンレオ嬢サン)

急遽組まれたTOMOYAと12歳年上の先輩ブラッドオコーナーのシングルマッチ。

試合には敗れたが、見事サンキチのメインを務めあげた。

試合後、オッサンタイガーも駆けつけた。

「4年間いろいろなことがありました。その中で一つ気づかされたことがあります。私たちには何ができるのか。それは…それは…私たち、いや、俺達にはプロレスしかねぇんだよ!俺らこれしかできねぇからよぉ。好きなことやんないとよぉ、生きている意味ねぇんだよ!こんなことをですね、我々メンバー、サムソン宮本から教わりました」(オッサンタイガー)

サムソン宮本から引き継いだ意志。

これからも新根室プロレスは走り続ける。

「無理しない!ケガしない!明日も仕事!!」

2024年1月に映画が全国公開へ

北海道根室市で産声を上げた「新根室プロレス」の活躍については、これまで北海道ニュースUHBで4年間の密着取材を続け、ドキュメンタリー番組は数々の賞を受賞。

そして、劇場版として映画化されて2024年1月に全国公開されることが決定した。ナレーターには北海道出身の俳優、安田顕さんが起用される。

北海道文化放送
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