スケボーでもローラースケートでもない「フリースケート」。このスポーツの名を知っているだろうか?ボードと足を固定せず、自由度の高い動きが特徴だ。広島県の小さな島でその魅力を発信してきたチームを取材した。

島の廃校を活用 子どもに無料で教える

尾道市因島。子どもたちが何かに乗って滑っている。

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これはスケボーでもローラースケートでもない。その名も「フリースケート」。

アメリカで発祥し2007年ごろに日本へ上陸したローラースポーツで、車輪付きの左右一組のボードにそれぞれの足を乗せて滑る。ボードと足が固定されていないため、滑っている時に足を入れ替えるなど、自由度が高いのが特徴だ。

華麗なジャンプもフリースケートの魅力
華麗なジャンプもフリースケートの魅力

(Q:フリースケートを始めてどれくらい?)
練習する子どもたち:

2年か3年。始めて1カ月くらいでうまくなった

このチームの代表・岡野貴文さん(45)。友人に誘われてフリースケートを始め、2012年にフリースケートチーム「零」を結成。尾道市が整備した廃校を活用し、子どもたちに無料で教えている。

フリースケートチーム「零」・岡野貴文 代表:
本当に楽しい乗り物です。難しいですが、練習すると必ずできるようになります。その達成感がおもしろいところかな

発展途上のスポーツだからおもしろい

因島出身で「零」のメンバーの1人、山根優希さん(20)。福山大学薬学部に通う現役の大学生だが、国内のボードメーカーと契約しているプロのフリースケーターでもある。

小学6年のころに岡野さんと出会い、フリースケートに夢中になった。

フリースケートに夢中だった中学生のころの山根優希さん
フリースケートに夢中だった中学生のころの山根優希さん

福山大学2年生・山根優希さん:
まず、技が全体的に難しい。技が決まった時や新しい技を思いついてそれを実現できた時の達成感が一番大きいかなって思います。まだ発展途上のスポーツなので、自分で技を開発できるのも楽しみの1つだと思います

福山大学2年生・山根優希さん
福山大学2年生・山根優希さん

小6から始め、20歳で世界大会2連覇

2023年5月、茨城県土浦市でフリースケートの世界大会が開催された。

5月、茨城県土浦市で開催されたフリースケート世界大会
5月、茨城県土浦市で開催されたフリースケート世界大会

アメリカやカナダ、中国など世界10カ国以上の約200人が参加する中、チーム「零」からも山根さん含めた7人が参加。

山根さんはマスタークラスの技を競う「スケートゲーム」の種目で2連覇を果たした。

初めて参加した梅野栞帆さん(11)と梅野紗凪さん(10)の姉妹も、一般の部で優勝と準優勝を獲得した。

福山大学2年生・山根優希さん:
世界大会はとてもレベルが高い場所だとわかっていたので、自分が優勝できたことに驚きがあります。絶対に負けたくない気持ちが生まれたので、練習への向き合い方が結果に結びついたと思います

岡野さんによるとフリースケートの国内の競技人口は約4万人。ローラースポーツの中では知名度はまだまだ低いのが現状だ。マイナーなこのスポーツを、人口約2万人の因島から盛り上げていきたいという。

「フリースケート最高!」と叫ぶ、チーム零のメンバー
「フリースケート最高!」と叫ぶ、チーム零のメンバー

フリースケートチーム「零」・岡野貴文 代表:
とにかく乗ってほしい。とにかくたくさんの人に知ってほしい。体験して「おもしろい」と思った人はやってほしい。フリースケートは世界中ですごく広がっているんですよ。日本でももっともっと広まってほしいです

瀬戸内の広い空の下、のびのびと滑る子どもたち。どこまでも自由に、楽しく…。因島からフリースケートの魅力が広まり、将来どんなスケーターが誕生するか注目だ。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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