山形・寒河江市のふるさと納税をめぐる贈収賄事件の裁判で、山形地裁は6月13日、贈賄の罪に問われている2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。この事件の影響で、寒河江市は2023年度のふるさと納税の寄付額が、2022年度の約半額にまで落ちこむと見込んでいる。
返礼品業者承認などの見返りに贈賄
贈賄の罪で判決を受けたのは、山形市の農産物加工会社「さくらんぼファクトリー」の代表を務めていた、鈴木成花被告(50)と相田潤被告(49)だ。

判決によると2人は、2020年、さくらんぼファクトリーが寒河江市のふるさと納税の返礼品を扱う事業者となる要件を満たしていないにもかかわらず、承認してもらうなどした見返りに、市の担当だった東海林雄彦被告に約80万円を渡した。

山形地裁で開かれた6月13日の判決公判で、佐々木公裁判長は「国民の関心が高いふるさと納税制度の信頼を害した結果は軽視できない」とする一方、「渡した金額は同じような事案と比べ高額とまでは言えず、収賄側から話を持ちかけられた経緯は酌むべき事情がある」とした。その上で、2人に対し懲役1年6カ月、執行猶予3年の判決を言い渡した。

被告側の弁護人は控訴するかについて明らかにしていない。この事件をめぐっては6月14日、東海林被告の初公判が行われる。
誓約書提出など再発防止図る
事件の影響を受け、寒河江市は2023年度のふるさと納税の寄付額が、2022年度の18億円から10億円まで落ちこむと見込んでいる。約半額・率にして44%の減少となる。

そして寒河江市は再発防止策として、サクランボの返礼品を扱う市内8つの事業者に対し、「市内で採れたサクランボだけを使用する」ことを誓う誓約書の提出を初めて求めた。さらに、市の職員が返礼品の発送作業に立ち会っての品質チェックもしていて、再発防止の徹底を図るとしている。
(さくらんぼテレビ)