広島県・神石高原町に無農薬の「食用バラ」を栽培する農園がある。そのバラを使った美しいサラダ、ほんのりピンク色のジュース、香りが漂ってきそうなパンやバター。どんな料理も華やかにする食用バラの魅力に迫る。
“食べられるバラ”の摘み取り体験
神石高原町時安にあるバラ農園「鈴木の薔薇」。2010年から休耕田や耕作放棄地を活用して食用バラを栽培している。

この農園で食用バラの魅力を知ってもおうと体験会が企画され、6月8日、福山市内の飲食店や花屋など8人が参加した。

まずはバラの花の摘み取りを体験。農園の代表、鈴木聡さんが摘み取り方を教える。
鈴木の薔薇・鈴木聡 代表:
2本の指で茎をポキっと折ってください

この農園では、「安心して食べてほしい」との思いから農薬を一切使っていない。

参加者は花びらを摘み取ると次々に口へ運び、甘い香りを楽しんだ。
参加者:
香りはいい。もう大好きなにおい

参加者(日本料理店 料理長):
食用バラの色や酸味、甘味とか香りを料理に生かせたらいいですね

参加者らが摘み取ったのは「ダマスクローズ」という品種。バラの中で最も香りが良いといわれ、高級ブランドの香水の原料にも使われている。

バラ料理やスイーツで備後地域を活性
摘み取り体験が終わると、山の自然に囲まれたテラスでランチタイム。

参加者たちは、バラの花びらが浮かぶ薄紅色のジュースで乾杯した。

参加者の前に並べられたのはもちろんバラを使った料理だ。淡いピンクと濃いピンクの花びらを盛り付けた美しいサラダ。

華やかな香りが漂ってきそうなパンとバターなど、すべての料理にバラを使用。味はもちろんのこと、香りも楽しめる。

参加者(花屋):
あっさりしています。けっこう食べやすいですよ。苦味はあまりないです

体験会のほか、バラを使ったお菓子などを販売するマルシェも開かれた。

イベントの主催者やバラ農園の担当者は、今後も食用バラを通じて地域を活性化したいと話す。
イベントを企画・宮澤知子さん:
バラを嗅いだ時であるとか、摘んだ時の皆さんの笑顔がとても幸せそうなので、この体験会を開いて良かったなって思っています

鈴木の薔薇・鈴木聡 代表:
福山市でも、食材としてのバラはまだまだ広まりきっていないと思います。これからは備後地域で食用バラをどんどん推していけたらいいなと思っています

10月には秋のバラの摘み取り体験を行う予定。「ばらのまち」として街づくりを進める福山市だけでなく、備後地域で新たなバラの魅力を発信している。
(テレビ新広島)